AXS TVで放送されていた新日本プロレスのウィークリー番組で解説者を務めていたジョシュ・バーネット。「試合を見ながらしゃべる」という難しい仕事をこなしていく中で、彼とヤング・バックスの間に確執が生れていたそうです。
X-PacのPodcast番組にゲスト出演したバーネットは、当時を振り返って次のように語っています。
問題は、彼らが「クール」になりたがっていたことなんだよ。でも、俺からしてみればあいつらはヒールだしさ。いっつもズルをしてルールを破っていたんだからヒールだろ、だから俺はお前らを「軽蔑すべき奴らだ」と言ってやろうじゃないか、ってことなんだ。ヒドいとか恐ろしいとか悪い奴らだとかさ。you suckとは言わなかったけど。
俺がこういう言葉を使ったのは、そういうことをするのがあいつらの仕事だったからだ。悪いことをするのが役目なんだろ?でも、(バックスに限らず)本物のヒールになろうとするレスラーはいないよね。クールなアンチヒーローだったり、クールなバッド・ガイになって、自分たちのグッズを売ろうとしてやがる。悪いけど、ヒールならヒールらしくしとけよ。
ファンに好かれるかどうかなんて気にするな。果たすべき役割に集中しろよ。ファンに向かって‘suck it’をやるようなレスラーなら、ファンはそいつがヒドい目にあうところを見たいんだよ。プロレスってのはそういうもの。ヒールになりたがるレスラーがいないのは問題だよな。
また、バーネットは解説者としての矜持も語っています。
実際にバックスと口論したことはないし、彼らの試合をちゃんと解説してたよ。メルツァー・ドライバーみたいなクレイジーな技を使っても2カウントしか取れなかったという光景を見た時、解説者の俺は「この攻撃がクソだと思われたくない、バックスが弱いと思われたくない」みたいなことを思うわけだ。それで、「なるほど。最後のインパクトでマット・ジャクソンの両膝が地面にちゃんとついていなかったから、パイルドライバーの威力が普段よりも足りなかったんだね」みたいなことを言って視聴者に伝えたい。彼らがやっていることを軽視しているのではなく、100%のメルツァー・ドライバーが決まっていたら試合は終わっていた、でもバックスは疲れているからそれができなかった、ということを視聴者に感じてほしいんだ。
弱いレスラーもダメなレスラーもいないと言いたい、と常に考えてた。戦いの場ではいろんなことが起きるし、思い通りにいかないことだってある。メルツァー・ドライバーで3カウントを取れないこともあるんだ。相手の脚の固定が足りていなかったのかもしれないね。でも、バックスの実力が足りないからそうなったわけじゃない。本当にちょっとしたことではあるんだけど、それだけレスラーが限界に近い状態だったんだ、ということなんだよ。
(参考: Wrestling Inc)