先日、WWEは新たな育成プログラム「WWE ID」の始動を発表しました。
WWEへの入団を目指す人たちに対し、その道筋を開くことを目的としたこのプロジェクトでは、コーディ・ローデスやセス・ロリンズが運営するプロレススクールなどがWWEの認可を受け、未来のWWEスーパースターたちを支援します。
WWE IDに対する反応は賛否が分かれています。インディシーンで活躍するレスラーたちなどにチャンスが広がるという好意的な意見がある一方で、イギリスでNXT UKが始動した時にイギリスのインディ団体がトップ選手たちを失ったように、インディシーンから有望なレスラーが流出することへの懸念の声が上がっています。
POST Wrestlingによれば、既に複数のインディレスラーがWWE IDに関連する契約を結んでいるそうです。彼らの名前は明かされていません。
どんな内容にせよ、WWEと契約することは、インディシーンで活動していく上で何らかの制約が課されることも懸念されます。しかし、POST Wrestlingが取材した関係者によれば、契約したレスラーたちの出場先や、試合での敗北に関する制限は現時点で設けられていないようです。
また、レスリング・オブザーバーによれば、WWE ID関連の契約下にあるレスラーがAEWから獲得オファーを受けた場合、そのことをWWEへ報告する義務があるそうです。その後、WWEは「わかった。では我々と契約してNXTに来てくれ」と伝えるか、「そのオファーを受けなさい。我々は君との契約に興味がない」と伝えるかの権利を持っているとのこと。WWEが圧倒的に有利、ということですね。
WWEから将来性を評価される若きレスラーたちが、WWEの認可を得た組織で実力を磨く。理想的な環境に見えますが、これを「WWEによる囲い込み」だと警戒する人たちがいるのは理解できます。今後の動向にも注目ですね。
(POST Wrestling, Inside The Ropes)