間もなく配信が開始されるNetflixのドキュメンタリー「Mr. マクマホン:悪のオーナー」。
2020年に制作が始まったこの作品ではビンスの功罪が取り上げられます。WWEを世界規模の団体に成長させ、ザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)やストーン・コールド・スティーブ・オースチン、ジョン・シナらビッグスターたちを生み出した功績、そして2022年以降に判明した性的スキャンダルにもスポットライトが当てられます。
ビンスはこの作品の出来に満足しておらず、昨日「多くの誤った内容が含まれている」と声明を発表しました。
そして、Puckのマシュー・ベローニによれば、ビンスは作品の初期の映像を見た後、Netflixからプロジェクトを買い取ろうとしたそうです。つまり、スキャンダルが作品で取り上げられる前の段階で内容に不満を覚え、作品の公開を阻止しようと試みた…ということですね。
彼はWWEの親会社エンデバーのCEOアリ・エマニュエルにも作品への懸念を表明させ、Netflixに圧力をかけましたが、Netflixはプロジェクトを手放すことを拒否。その後、2024年1月に元WWE女性従業員がビンスを相手取って性的虐待訴訟を起こしたことで、Netflixはこの訴訟も作品で取り上げることを決めました。
2025年1月から、RAWはNetflixで配信される番組に生まれ変わります。10年にも及ぶ巨大なメディア契約を交わした両者ですが、レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによれば、Netflix内部にはこの契約について「不安を抱いている」人がいるそうです。性的虐待訴訟が起こる数日前に締結したこの契約は、Netflixの誰もが納得していたわけではなかったのです。
ビンスのスキャンダルが取り上げられることが決まった後、WWEは「Mr. マクマホン:悪のオーナー」の制作から降りました。両者の関係は「完璧」とは言えない感じですね。このスリリングさが良質なコンテンツを生み出すことに繋がればいいのですが……。
(Wrestling Observer)