プロレス史に残るビッグスター、ジョン・シナは、キャリアの最期を迎えるその瞬間までプロレスについて新しいことを学び続けていました。
コーディ・ローデスのPodcast番組に出演した彼は、引退のわずか1日前にプロレスに関する一つの「気づき」を得たと明かしました。
試合とは、演者と観客がそれぞれ自分の言い分を伝え合う「会話」のようなもの。誰かと会話をする時、一方的に話しかけるだけで相手に参加させなければ、相手は話を聞かなくなってしまう。レスラーはこの点を理解し、観客が試合に参加(貢献)する時間を与えることが重要だ…というのが、彼の学びです。
あの気づきは衝撃的だったよ。まさに「学びを止めるな」ってことの好例だね。引退の前日、金曜日のことだった。「なんてこった、自分が本当に感じていることを言葉にする方法をようやく見つけたぞ」って思ったんだ。
それは、「激しい会話」をする能力についての本を読んでいたときのことだよ。誰だって会話に参加したいし、対話を望んでいるものだろ? その本には、間や沈黙の力、要するにペースを落とすことについて書かれていた。アクションを起こす瞬間、それはこちらの会話のターンだ。そしてペースを落とすことで、会場のファンに彼らの会話のターンを与えるんだよ。
「これだ! これでついに、頭の中にある考えを21歳のジェボン・エバンスに伝えられるぞ」って思ったね。
例えばこうだ。「ジェボン、もし俺が45分間一方的に話しかけたとしても、君は聞く耳を持たないだろ。でも、もし対話ができるなら、君が考えていることを俺に伝え、俺も君に話すことができる。そうすれば、お互いに少し成長してその場を後にできるかもしれない。試合でもそれを確実にやるんだ」。
言いたいこと、わかるかな? これなら「ペースを落とせ、小僧。動きが早すぎるぞ」なんて言う必要はない。そんな言い方をすれば、すぐに相手は身構えてしまう。「ペースを落とせだと? ついてこれないだけだろ、オッサン」ってね。
そういうことじゃないんだ。いずれ肌で感じる時が来る。でも、そう言われると「俺が間違っていることを証明してやる、速い動きでも通用するところを見せてやる」とムキになってしまうだろ。俺は速い動きがダメだと言ってるわけじゃない。ただ、会場のファンと常に会話をすることを忘れるな、と言いたいんだ。
これに気づいたのは引退の前日だった。だから最高なんだよ、常に学びがあるっていうのはね。
(Wrestling Observer)
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