プロレス界の伝説として、今も世界中からリスペクトされているエディ・ゲレロ。死後も彼の影響は衰えていません。
2025年に引退するジョン・シナは、かつてエディから教わったことを今も忘れずに日々の活動に取り組んでいるといいます。
君たちは俺とエディ・ゲレロの試合を一度は観たことがあるだろうけど、俺は幸運にもエディとたくさんの地方興行で対戦できた。エディ・ゲレロは史上最高のレスラーの一人だ。
エディは俺の師匠の一人で、最後の「即興型」のレスラーだったと思う。俺の多くのスキルはエディ・ゲレロから受け継いだのさ。
エディは天才だった。ただ技がうまいだけじゃなく、いつ何をすべきか分かっていた。そして、みんな知らないかもしれないけど、彼は試合をその場で即興で作っていた。観客への洞察力が尋常じゃなかったな。
一生忘れられないことがある。あれは、Attitude Eraのブームが落ち着いたあとの話だ。ストーン・コールドは解雇され、ロックは去り、アンダーテイカーは怪我。社名も変わり、XFLも失敗して色んなことが混乱していた。
SmackDownが始まり、カート・アングルを軸に、エディやエッジ、俺みたいな新しいメンバーが入ってきた。その中で、エディもチャンピオンになったんだ。彼が俺に繰り返し言ってくれたのが……「観客が一番少ない夜こそ、10倍の努力をしろ」ってことなんだよ。
要するに、「熱」が普段より弱くなる分、こっちは全力でぶつからなきゃいけない。たくさん観客がいるときは、盛り上げるのは簡単。でも最前列の5人しかいなかったとしても、全力を注げ…ってことだね。
「いつも全力だけど、特にそういう夜は絶対に手を抜くな。むしろ普段の100倍やるつもりで、お客さんに『あの試合を観なかったやつ、損したぞ』と思わせろ。次も絶対に来たいと思わせろ」と教えてくれたのさ。
エディは観客が少ない日でも、常に素晴らしい試合をしていた。チャンピオンでいる責任を本気で感じていたし、その姿勢は絶対に忘れない。
さらに彼は、「観客の声に耳を傾けろ」とも教えてくれた。エディから学んだ最大の武器はこれだね。観客こそが一番大きなエネルギーであり、最大のスターなんだ。観客が「今やってほしい」という瞬間を逃したら、彼らの集中力は切れる。1回や2回なら許されても、3回外したらもう誰も興味を持たなくなる。
エディは常に、やるべきことを「完璧なタイミング」でやる外科医のようだった。エディは俺に即興力を、観客の声を聞くことを、そしてどんな時も努力し続けることを教えてくれたんだよ。
(Fightful)
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