ジョン・シナの引退試合はまさかの結末。グンターのスリーパーでタップアウト負けを喫し、試合後にファンが「本当にそれでよかったのか?」を議論し続けています。
「あれは最高の引退の瞬間だった。シナの表情は感動的だった」という意見がある一方で、シナの父のように「ファンの反応を見ると、別の形でもよかったかもしれない」と指摘する声も。レジェンドが負けて引退するのは業界の常ですが、スティングはAEWでの引退試合に勝利しており、「必ず負けなければならない」わけではありません。ただ、シナ自身が「負けて引退」を望んでいたことも報じられています。
ここでは、プロレスやMMAのインタビュアーとして知られ、引退目前のシナにもインタビューしたアリエル・ヘルワニ、そして元WWEラナの発言を紹介します。
アリエル・ヘルワニ(インタビュアー)
熱狂的なファンたちはこう言うだろうな。「いや、こうあるべきなんだ。これがジョンの望みだったんだ。彼は業界に恩返しをしたかったんだ」ってね。
俺に言わせれば、そんなのはデタラメだ。くだらない。ナンセンスだよ。だってもう存在しないビジネスのイデオロギーなんだから。それは1970年代や80年代のプロレスの話だ。
今はもうそんな時代じゃない。俺たちが生きているのは、かつてのテリトリー制のような時代じゃないんだよ。ここ数ヶ月、ジョン・シナが何度も負ける姿を誰が見たがったんだ?ブロック・レスナーにボコボコにされ、ドミニク・ミステリオに負け、グンターにも負けた。
それに、彼は引退試合で負けただけじゃない。20年以上も「ネバーギブアップ」と言い続けてきた男が、ただ負けるだけでなく、ギブアップで負けたんだぞ。俺は認めないね。こんな結末を望んでいた奴なんていない。彼のファンだった人間で、こんなものを望んでいた奴は一人もいないはずだ。
そもそもシナ対グンターというカードであるべきじゃなかったし、シナが負けるべきでもなかった。ましてやタップアウト(ギブアップの意思表示)なんて、絶対にありえない話だ。あんな形でジョン・シナが去るのを誰も望んでいなかった。
彼が「負け役」を務めるのが伝統だなんて言うのは、あまりに時代遅れだ。今は違う時代なんだ。シナにはもっとふさわしい最後があったはずだ。引退ツアーには大きな可能性があったのに。結局、ファンは物足りなさを感じることになった。あれは間違いだったと思う。
ラナ(元WWE、CJペリー)
彼はもう48歳でしょ?自分より力が強くて、背も高くて、10歳も若い男に首を絞められたら、そりゃあね…。
人生はいつだって計画通りにいくわけじゃない。むしろ、ジョンが人間だとわかったことで、私の中で彼はより一層ヒーローになった気がするよ。彼は人間味のあるスーパーヒーローなんだ。
彼のインタビューをたくさん見てきたけど、彼は「すべてには終わりがある」というスタンスだよね。だからこそ彼は真のヒーローだし、すごく刺激を受けるんだ。引き際を知ることは誰にとっても必要だからさ。
彼はそれを最高の方法でやってのけたよ。ただ「人は永遠には生きられない」ってことを伝えてくれたんだ。受け入れるのが難しい時もあるけど、去るならこういう形であるべきだってことだよ。

(Wrestling Observer, Fightful)
あわせて読みたい

