2019年に旗揚げしたAEWは、プロレス業界で働く人たちやファンにとって有効な選択肢として機能しています。ダニエル・ブライアンのような現在進行系のビッグスターからダニエル・ガルシアのような未来のスターまで、様々なレスラーが所属しているほか、アメリカのテレビ業界で重要視される18〜49歳の視聴率でDynamiteがWWE・RAWを上回ることもありました。
元WWEで、現在はインパクト・レスリングに所属するドク・ギャローズは、「MCW Cast」にゲスト出演した際、AEW旗揚げ後のWWEについて語りました。意外と冷静な分析です。
WWEには友だちがたくさんいるし、WWEの存在はプロレスファンとして嬉しく思っているよ。彼らは自分たちのやり方でやっていくだろうし、それはそれでいいんだ。我々はNXTでそれを目撃したばかりだよね。責任者が「気に入らないから」という理由で、自分たちのモデルを殺してしまった。ブランドにとっては非常に重要な変化だったよ。
俺たちは巨額の契約を手にしたけど、新型コロナウイルスのパンデミックが起きたらコストカットでクビになった。そもそも、契約が巨額になったのは、WWEがAEWを警戒していたからだったね。それがうまくいかなかったんだ。クビになった彼らの中には、その後価値が上がった人もいたし、自らWWEを去ることでホットな存在になった人もいた。怪我の功名だね。
(WWEが今後没落する可能性はあるか、という話題で)WWEはプロレスの顔だから、そんなことは誰にもわからないよ。ライト層のファンを獲得するのが得意な団体だしね。俺は個人的にローマン・レインズのことが大好きでさ。彼がインタビューでこんなことを言ってるのを読んだよ。「我々は自分たちのやり方でやるんだ。ライト層のファンが欲しいんだ」。何を言おうが自由だと思うけど、WWEの熱意がどこに向いているのかがわかる発言だね。WWEは自分たちの番組を見ていないプロレスファンを「奇妙なハードコア・ファン層」だと思っているんだよ。実際には、この「奇妙なハードコア・ファン層」がどんどん成長しているわけで、その様子をみんな目の当たりにしている。子どもの頃からプロレスファンだった俺みたいな連中は、大人になり、娯楽にお金を使えるようになった。それをプロレスに使いたいんだ。
(WWEとAEWの違いについて)AEWは素晴らしいベテランやレジェンドをテレビ番組に出演させることを臆さないよね。WWEの志向はエンターテインメントで、プロレスは二次的なものになっているような気がする。「彼らはテレビに出すには歳を取りすぎている」と思うかもしれない。でも、ファンはそんなこと気にしないよ。
WWEの内側を知っているプヲタの素直な意見だという印象です。この意見に賛同するかどうかは人それぞれでしょうが、彼のタッグパートナーよりも冷静なのは間違いないですね。