オカダ・カズチカとブライアン・ダニエルソンのドリームマッチは、思わぬ形で試合が進行していきました。
AEWと新日本プロレスの合同興行Forbidden Doorで行われたこの試合は、ブライアンが試合中に右前腕を骨折してしまうというアクシデントが起きました。それでも彼は試合を続行し、右腕が完全に使えなくなった状態でオカダからギブアップを奪うという、パフォーマーとしての底知れなさをファンに見せつけたのです。
AEWのベテランレスラー、マット・ハーディーは、腕を骨折しながらも試合に勝利したブライアンについて、自身のPodcast番組の中で次のように語りました。
プロレスに対して情熱的で、10年以上のキャリアがあれば、怪我をしても試合を終えることが本能的にできるようになるんだ。怪我にも慣れてくる。俺もそうだし、ブライアン・ダニエルソンもそうなんだ。彼はキャリアの中でたくさんの怪我と向き合ってきた。プロレスラーたちの痛みに対する耐性がどれだけ高いか…信じられないよ。レントゲンを見ると、きれいに骨が折れていたね。それでも、その状態で10分もプロレスをしたんだ。あのタフさを称えたい。
と同時に、すっかり歳をとった俺は、怪我をしながら試合に出続けるレスラーたちのことが心配になるんだ。歳を重ねるたびに、ますます心配になってきたよ。俺も何度かやってしまったことだし、それについてどうこう言うつもりはないよ。自分がやっていないことで、誰かの罪を問うようなことはしない。
バレエじゃないんだから、怪我もするよ。俺たちがやっていることは「自然」じゃないんだ。血と肉と骨を、木と鉄に叩きつけるなんて普通じゃないだろ。これは嫌味じゃないぞ。怪我をするのは誰だって嫌だ。可能な限り自分の身体を守りたいんだけど、現実には怪我をすることだってある。ブライアン・ダニエルソンが試合中に怪我をしたのは最悪なことだったけど、彼が最後まで戦い抜いたのは嬉しいことだし、その上で大きな勝利を手にしたのは驚きだね。
バレエも怪我との戦いを強いられる厳しい世界ですが、それにしてもブライアンのパフォーマンスは強烈でした。