フィン・ベイラーの最終奥義といえば、新日本プロレスで生まれた「デーモン・キング」です。
特別なタイミングでしか登場しない、彼にとっても思い入れの強いギミック。WWEのクリエイティブ・チームも、いつどのタイミングでデーモンを召喚するかという点について慎重に議論しています。
しかし、必ずしも「愛情」だけを感じているわけではないようです。After The Bellに出演した彼は、「彼にとってデーモンはどのような存在なのか」という話題について、次のように語りました。
俺の「困った時の頼り」だね。俺は、多くの人を喜ばせようとしすぎて、自分自身を喜ばせることを怠るという罪を犯してしまった。あのキャラクターのことだけじゃなく、WWEでやっていることは、クリエイティブ・チームがいて、ライターのチームがいて、グッズのチームがいて、プロモーションのチームがいて、チケットのチームがいて……という、多くの人を喜ばせようとしすぎた結果なんだ。実際のところ、自分自身を喜ばせることができなかった。
日本でデーモンを考案した時は、なんとも必然性のないキャラクターだったんだけど、俺がゾーンに入る必要がある瞬間に、デーモンによって自分自身を表現し、よりよく型にはめることができると感じたものだった。これをWWEユニバースに持ち込んだら、何事にも理由が必要になったんだ。「なぜデーモンが出てくるのか、なぜフィン・ベイラーがデーモンに変わるのか」ってね。
何かを説明しようとすればするほど、実際の意味が失われ、バカバカしくなったような気がする。デーモンは「困った時の頼り」だよ。説明というのは、ペイントをするプロセスや、毎回異なるデザインを実現しようとするクリエイティブな部分への説明では必ずしもなかったけどね。デーモンは、多くの人を喜ばせるための試みだ。本当の自分自身に忠実になることではないし、日本でやっていた頃の理由にも忠実ではない。