2023年、サミ・ゼインはついにWWEのサウジアラビア大会への参戦を果たしました。
2018年に10年間の戦略的パートナーシップを発表したWWEとサウジアラビア。WWEは年2回のペースで大規模なサウジ大会を開催し、ゴールドバーグやブロック・レスナーらの超大物選手を出場させています。
サミはWWEの人気選手の1人ですが、シリア系カナダ人である彼にとって、サウジとシリアの関係が不安定であることが大きな懸念となり、サウジ大会に参加できない状況が続いていました。しかし、2023年5月に両国の国交が正常化したことにより、同月開催のNight Of Championsでサウジ大会への参戦がついに実現したのです。
サウジ出身で、サウジ大会では大きな扱いを受けていたマンスールにとって、サミは尊敬する先輩です。最新のインタビューで、マンスールは多様なバックストーリーを持ち、様々な角度でファンに訴えかけることのできるサミから学んだことを明かしました。
サミ・ゼインのことを本当に尊敬してるんだ。彼はアラブのレガシーを持つムスリムだけど、彼のアピールポイントはそこだけじゃない。そして、彼は俺にそのことを伝えようとしていたんだと思う。
出自を誇りに思い、自分の一部にするのは素晴らしいことだ。自分と出自を切り離すことはできないからね。でも、アピールできるのが出自だけでは、その文化圏の外側にいる人たちとの繋がりを得るのは難しい。WWEはグローバルな団体で、できるだけ多くの人たちにアピールしなければならない。
サウジ大会でチャンスを得ていたマンスールですが、扱いは次第に小さくなり、ついにサウジ大会への出場が叶わなくなっていきました。最後の出場は2021年10月のCrown Jewel。WWEから解雇されるまでの約2年間で一度もサウジ大会に出場できなかったのは、アピールポイントが不足していたからなのでしょう。
自分の魅力を探し求めた結果、彼はタッグチーム「マキシマム・メイル・モデルズ」にたどり着きました。サウジ系選手の殻を打ち破るチャンスだったと振り返る彼ですが、大きな活躍はできないまま2023年9月にWWEから去ることに。今後はインディシーンで腕試しを続け、再びスポットライトを浴びることを目指します。
(Wrestling Inc)