2024年内にフルタイマーとしての活動を終了し、年数回の試合をこなしていくスタイルに移行するブライアン・ダニエルソン。
21世紀を代表するトップスターの1人である彼は、ROHやWWE、AEWで多くの名勝負や名ストーリーを演じてきました。以前と比べ選手生命が伸びている現代のプロレス界において、43歳という年齢は「まだまだ若い」と感じさせる数字です。
しかし、長年の活動を通して身体へのダメージが蓄積している彼は、フルタイマーとしてプロレスに没頭する生活から離れ、家族とともに過ごす時間を優先しようとしています。彼自身、もはやトップランナーとして駆け抜ける体力はないと考えているようです。
Sports Illstratedによるインタビューの中で、彼は現在のコンディションでタイトルを獲得するのは無理だ、と考えていることを明かしました。
もう世界チャンピオンのポジションに立ちたいとは思わないんだ。俺がやるべきことじゃない。
AEWのプロレスは非常にレベルが高く、PPVのメインイベントをこなすのは本当に難しいんだよ。俺の身体では、もうそんなことはできない。俺にチャンピオンになってほしいと思っているファンもいるだろうけど、俺はそういう立場に立つべきじゃないんだ。
また、WWE時代から番組のクリエイティブ・チームで存在感を示し、AEWではトニー・カーン社長の良き相談相手としてクリエイティブに貢献してきた彼ですが、自分の方向性に関与したくないと思っていることも明かしています。
真実を言うと、俺は自分のストーリーラインやキャラクターといったクリエイティブなことに関わりたくない。いろんな人が「ブライアンは自分のクリエイティブに口出ししている」と思っているみたいだけど、それは事実じゃないんだ。
プロレスという世界では、自分自身に対して客観的になるのがとても難しい。だから、そういうことは他の人の手に委ねているんだ。
WWEでクリエイティブチームの一員だった時もそう思っていたよ。当時のSmackDownのヘッドライター、ライアン・キャラハンが俺に何をしたいか聞いてきた時、「自分がしたいことについては話したくない」と言ったのを覚えている。そういうことに対して客観的になれるとは思わないんだ。
多くのプロレスラーたちが「クリエイティブの自由がほしい」と思っているにも関わらず、トップ中のトップである彼がこうした意見を持っているのは珍しいと言えるでしょう。クリエイティブチームへの信頼感があってこそ、こうした考えを貫けるのかもしれません。
(Fightful)