先日、ジョーダン・マイルス(元ACH)はWWEがデザイン・販売した彼の新Tシャツが黒人差別的であることを告発しました。そして、告発の一連の流れの中で、マイルスは怒りを様々な方面にぶつけてきました。WWEだけでなく、ROHやジェイ・リーサルにも向けられたその怒りは、彼の立場を危うくしているかもしれません。
レスリング・オブザーバーによれば、WWEの内部にはマイルスに対して非常に怒っている人々、困惑している人々が多いそうです。WrestlingNews.coは、この騒動についてこう書いています。
一般的な意見としては、彼が怒るのは当然だ。しかし、ソーシャルメディアでの言動は彼のためにならないし、多くのプロレス界の人々は彼のリーサルに対する悪口を非難している。
WWEだけでなく、ジェイ・リーサル以外の黒人レスラーがトップレスラーの立場に到達してこなかった(とマイルスが主張している)ROHもまた”fuck”であり、リーサルはアンクル・トム(白人に屈従的な黒人に対する蔑称)だと言い放ったツイートが、マイルスのプロレス界での立場を危うくしている可能性があります。
オブザーバーによれば、マイルスがWWEを退団したらブッキングしたいと考えていたプロモーターも「リーサルへの発言がある前までは」いたそうですが、彼はこの発言がきっかけで考えを転換したとのこと。また、ブッカーTもリーサルへの悪口を批判しています。マイルスの暴走した怒りは、彼に対する印象を悪くしてしまったようです。
デイブ・メルツァーの弟子的存在のブライアン・アルバレスは、Wrestling Observer Liveの中でこの題材を取り上げた時、非常に困惑した表情を浮かべつつ、マイルスの告発にもWWE側の声明にもおかしな点があることを指摘しています。多くの情報を仕入れているであろう人物さえもハッキリしたことは分かっていないという状態なのです。
マイルスは最近の発言について「無礼かつプロフェッショナルではないものだった」と認めた一方で、謝罪はしていません。この態度は最初にTシャツが差別的であると告発した時のツイートで表明した「何を言っても何をしても謝らない」という意思からくるものですが、マイルス自らが「声が届くまではやめない」と宣言している告発は声を届けたい対象に向けられるべきで、少なくともリーサルへの悪口は言うべきではありませんでした。
ここ最近WWEパフォーマンス・センターに顔を出さず、NXTにも出ていないマイルス。今後どうなってしまうのでしょうか。
(Wrestling Observer, WrestlingNews.co)