WWEがデザインしたTシャツが黒人差別的だと告発し、徹底的に闘う姿勢を見せていたジョーダン・マイルス(元ACH)。今朝、WWEからの退団を表明し、Twitterアカウント名をACHに戻しました。インディ界への復帰に向かっているようです。詳しくは下の記事、そしてそこにある関連記事をご覧ください。
WWE・NXTとのテレビ戦争「ウェンズデー・ナイト・ウォーズ」の真っ直中にあるAEWにとって、WWEから退団したACHの獲得は検討に値する一手ではないかと思われます。しかし……。
ジャーナリストのブラッド・シェパードによれば、AEWは彼の獲得に否定的だそうです。
A source also indicated that #AEW would stay away from hiring him due to his behavior. https://t.co/z6rHK5FL6I
— Brad Shepard (@ItsBradShepard) November 13, 2019
その理由はその言動にあります。WWE退団を報告した動画で、彼はかなり汚い言葉遣いでWWEを猛批判しています。
今日をもって、クソッタレのWWEを辞めたことを報告するよ。もはやWWEの一員じゃない。レイシストたちのために働くのはやめたんだ。終わらせてやった。クソ連中が。あのクソ団体だけじゃない、それを象徴するすべてのものさえも嫌だ。[…]ジョーダン・マイルスは終わり。もうその奴隷ネームで呼ぶな。俺はACHだ。頭にSuperをつけるのを忘れるなよ、ビッチ!辞めた!クソ野郎!
また、プロレス界の黒人レスラー軽視を告発する文脈の中で、ジェイ・リーサル以外に黒人がトップレスラーになったことがない(と彼が主張している)ROHを批判し、またリーサルを「アンクル・トム(白人に従属的な黒人を指す蔑称)」呼ばわりしたことがプロレス関係者の中での彼の悪評につながっている、というレポートもありました。
AEWはこうした言動を問題視しているのだと思われます。
WWEはジョーダン・マイルスをビッグ・プッシュする計画を用意していました。しかし、その団体内にあったレイシズムを感じ取った彼が差別を告発するという決断を下したところまでは、「信念に則った行為」だと認識していたファンが多かったように思います。しかし、怒りが暴走した結果、物事が悪い方向に進んでしまったような気がします。リベラルな団体であるAEWにとっても、ACHは扱いにくい人材だと判断せざるを得ない材料が揃ってしまいました。
WWEと喧嘩別れし、AEWは興味を示さない。ROHにも戻りにくい。となると、彼の進路は新日本プロレス、インパクト・レスリング、NWA、MLWのどこかになりそうです。どの団体でも業界トップクラスのポテンシャルをいかんなく発揮できそうですが……。