プロレス界では、男女が戦うインタージェンダーマッチが行われることが珍しくありません。
大手団体で実現することは稀ですが、インディシーンでは男子VS女子の試合が組まれることがあり、リング上で激しい戦いを繰り広げられます。男女混合タッグマッチでは「同じ性別の選手が戦う」ことがメインになりがちですが、キャンディス・レラエのように男子相手でも互角の戦いを繰り広げる名手もいました。
この試合形式は常に論議の的になっており、レスラーたちの間でも賛成と反対の意見がはっきりと分かれます。AEWのベテランレスラーMVPは、最新のインタビューで反対の姿勢を示しました。
今から多くの人間を怒らせることになるだろうが、それは構わない。俺はインタージェンダー・レスリングのファンじゃないんだ。好きじゃないし、支持もしない。
ゲーム文化に親しんだ今の世代のプロレスラーたちは、ストリートファイターの春麗を使って相手をボコボコにするゲームをして育ってきた。でも、俺はシミュレーションされた格闘技という考え方でプロレスに取り組んでいる。俺はずっとシュートスタイルが好きだし、リアリティが好きでね。だから日本のプロレスに惚れ込んだんだ。インタージェンダーなんてものをやり始めた途端、信憑性がなくなるだろ?
例えば、ボクシングやMMAでは男女対決はない。なぜなら、生物学的な違いが重要だからだ。
かつてプロ格闘家だった元パートナーに、インタージェンダー・マッチについて聞いたことがある。「よし、条件を同じにしよう。君と同じ身長、体重で、同等のスキルセットを持つ男性ファイターがいるとする。ガチのボクシングマッチをやったらどうなる?」彼女は「殺されるだろうね」と答えたよ。間髪入れずにね。ただ「殺される」と言ったんだ。それが生物学というものだ。
何年も前、インディー団体にいた頃に一度だけインタージェンダー・マッチをやったが、あれは馬鹿げていたよ。やらなきゃよかったと思っているが、説得されてしまったし、俺も若かったからな。俺はファンじゃないし、好きじゃない。だが、それを好む人々もいるし、やっていてすごく楽しいと感じる連中もいる。
まあ、もしそれを見たいファンがたくさんいて、チケットを買って見に来てくれるなら、「お前のやり方は間違っている」とは言わないよ。チケットが売れて、コストを回収できて、ファン層を満足させられているなら、どうぞご自由にって感じだ。ただ、俺はファンじゃないってだけの話だよ。
(Wrestling Observer)
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