インパクト・レスリングには長い歴史があります。
現在はWWEで幹部として働いているジェフ・ジャレットがTNAを設立したのは2002年のこと。2000年代はWWEの最大のライバルとして活動し、AJスタイルズやサモア・ジョー、クリストファー・ダニエルズといったインディシーンの大物たちが名勝負を繰り広げる一方、カート・アングルやスティング、クリスチャンといった元WWEの超大物たちを招き入れて話題を作りました。
しかし、次第に団体としての力が衰えていき、団体名も「インパクト・レスリング」に変更。2007年から2017年にかけて、レスリング・オブザーバー・アワードのワースト団体賞を連続受賞するという辛い時期もありました。しかし、近年は再浮上の兆しがあり、新日本プロレスやAEWとの提携も話題になりました。
そんな中で開催された団体設立20周年イヤーのPPV「Slammiversary」には、団体の歴史に欠かせないレジェンドOBたちがビデオメッセージで登場し、ファンを沸かせました。AJ、アングル、そしてスティングです。AJのコメントは以下の通り。
ハッピーアニバーサリー、インパクト・レスリング!2002年、アラバマ州ハンツビルでの、俺と、ジェリー・リンと、ロウ・キーと、サイコシスの試合がすべての始まりだった。最初の試合がそれで、そこからは、ジェフ・ジャレットだったり、レイヴェンだったりな。Xディヴィジョンがあり、アルティメットXがあり、エレベーションXがあり…だな。試合はどれも忘れられないものばかりだし、カート・アングルとのプロレスは信じられないものだった。でも、全てを変えた試合は、2005年にサモア・ジョー & クリストファー・ダニエルズとやったトリプル・スレット・マッチだったね。
AJスタイルズは今もAJスタイルズかもしれんが、インパクト・レスリングがなければ、俺はどれだけ「フェノメナール」になっていただろうか?だから、ありがとな。この機会を許してくれたWWEに感謝したい。俺にとってこのビデオメッセージが特別な瞬間だってことを、彼らは理解してくれているんだよ。
Check out what @AJStylesOrg had to say about being voted the most IMPACTful X Division wrestler of the past 20 years!#Slammiversary #IMPACT20 pic.twitter.com/8uIK0Dhhty
— IMPACT (@IMPACTWRESTLING) June 20, 2022
現在フリーエージェントのアングルはともかく、WWEのトップスターとして活躍しているAJの登場には驚きました。インパクトはWWEとの仕事にも前向きで、今年のRoyal Rumbleには元WWEのミッキー・ジェームスがサプライズ出場。他団体のレスラーがWWEのリングに上がるという、近年では珍しい光景をファンは目撃しました。おそらく、今回のAJのSlammiversary登場もその延長線上にあるのだと思われます。
The Good Brothers(カール・アンダーソン & ドク・ギャローズ)はAJをインパクトに復帰させることに尽力していると明言していましたし、もしかしたら2人の働きがあってこそのビデオメッセージだったのかもしれません。