AEWの中心人物であるケニー・オメガやヤング・バックス、Codyは新日本プロレスで活躍したスターレスラーでした。特にケニーは同団体の海外戦略の軸であり、彼の人気の高さが海外での新日本人気を引っ張っていたのです。AEW旗揚げが発表された時、世界中のファンはAEWと新日本の提携を夢見ました。アンチWWEの最強の同盟が生まれることを願っていたのです。
しかし、レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによれば、両団体の関係には「亀裂が入っている」そうです。新日本内では、AEWの話題はタブーになっているそうです。
一体なぜ新日本はAEWをタブー視しているのか?メルツァーは次のように推測しています。ケニー、YB、Codyが新日本から離れ、彼ら自身のショー(ALL IN, Being The Elite)に力をいれるようになり、それが結果的にAEWの宣伝に繋がったことを良く思っていないのではないか、と。
ROH所属のYBとCodyの参戦数は新日本側にはコントロールしにくいところもあったでしょうが、ケニーの試合数ははっきりと減っていました。2017年は73試合に出場していましたが、2018年は53試合。彼らは伝説となった自主興行”ALL IN”に力を入れていたので、新日本での活動に2017年のほどの力を入れられたかどうかと言うと微妙なところです。
7月7日、新日本のG1 CLIMAX開幕戦が始まる直前に、ケニーは次のツイートを投稿しました。
名前が出せなくても、まだ生きてる。見ている。応援している。 pic.twitter.com/XE02zXy0ft
— Kenny Omega (@KennyOmegamanX) July 6, 2019
「名前が出せなくても」。永遠のラヴァーである飯伏幸太の名前すら出せない状況だとは思いませんでした。日本時間7月7日開催のG1 CLIMAX開幕戦でも、飯伏とKENTAのかつてのタッグマッチの話題になった時、実況アナウンサーは「ゴールデン☆ラヴァーズ」を「別のタッグチーム」と置き換えていました。ケニーに関することはたとえGLでさえもNGなのでしょう。
■追記
Twitterに上記部分についてのご指摘があり、確認したところ、実況アナウンサーは2010年にプロレス大賞を受賞したゴールデン☆ラヴァーズ VS アポロ55の試合を「別のタッグの試合」と説明しており、「別のタッグチーム」ではありませんでした。また、7月4日に新日本プロレス公式サイトで配信された飯伏のインタビュー記事の中にGlについての言及があり、NGとは言えない状況であることも確認しました。訂正いたします。
当分の間、新日本とAEWの提携は実現しなさそうです。
(Wrestling Observer)