8月31日はプロレスファンにとってとても充実した一日になったようです。WWE、AEW、新日本プロレスが同じ日に英語圏でPPVを開催。土曜日は一日中プロレスを見続けたという人も少なくなかったはず。
記事執筆時点でのCagematchのユーザーレビュー(10点満点)はこうなっています。カッコ内は投票数。
- WWE “NXT Takeover: Cardiff”: 8.61(61)
- AEW “ALL OUT”: 8.12(138)
- NJPW “Royal Quest”: 7.76(20)
注目度ではAEWが他団体を圧倒したものの、評価が一番高かったのはWWE。ヤング・バックスとルチャ・ブラザーズによる壮絶なラダーマッチ、ケニー・オメガ VS PACのドリームマッチなど、注目に値する試合もありました。しかし、カメラワークなど、ALL OUTには至らない点があったことも事実です。カメラワークはなかなか改善されませんね。
WWEでライターを、ルチャ・アンダーグランドでプロデューサーを務めた経験のあるクリストファー・デジョセフは、ALL OUTにはストーリーが欠けていたことを指摘しています。
ALL OUTに対して否定的な意見を述べたら集中砲火を浴びてしまったよ。彼らには成功してほしいと思っているんだ。でも、ALL OUTにはストーリーが欠けていた。「平均的な」ファンにも興味を持ってもらいたいなら、観客数を増やしたいなら、ストーリーが何よりも役立つ。でも、ALL OUTにはこの点が著しく欠けていたんだよ。
本来ケニー・オメガと対戦予定だったジョン・モクスリーが肘の感染症により欠場してしまったことにより、ストーリー性の高い試合が1つ減ってしまったことは不幸なことでした。しかし、彼の指摘は理にかなっていると思います。
AEWの中心メンバーであるThe Eliteは、新日本プロレス・ROH時代からYoutubeチャンネル”Being The Elite”で独自のストーリーを展開し、ファンに公開し続けてきました。
2018年のBullet Club分裂騒動はBTEを見ていないと何が起きているのかが理解できないという状態に陥り、「平均的な」ファンがついていけなかったのは紛れもない事実です。AEWを創立した今もYoutubeチャンネルでストーリーを提供していますが、「平均的な」ファンにはなかなか届きにくい手段であるという課題は解決できていないように感じます。
また、クリス・ジェリコと”ハングマン”アダム・ペイジのAEW世界王座初代チャンピオン決定戦の結果について、WWEのバロン・コービンがこんな「嫌味」を言ったようです。
WWEがやっていることすべてを嫌ったり、不満を言ってくるニヤケ面の連中は、AEWが同じことをやったとしても好きにならざるを得ないんだよな。そいつらがバカだってことがよく現れてるよ。
48歳のジェリコがタイトルを取るという結果はWWEとどう違うの?という指摘。アンチWWEのファンが多く味方についているAEW。こういった意見にどう返答していくのかが団体の将来を左右するかもしれません。
(参考: PWMANIA, Wrestling-Edge)