9月25日に配信が開始されるNetflix制作のドキュメンタリー「Mr. マクマホン:悪のオーナー」。
WWEを世界規模の団体に成長させたビンス・マクマホンの功罪を徹底的に暴き出すこの作品には、ジョン・シナやザ・ロックなど、ビンスによって大スターへと成長したWWEスーパースターたちも登場します。しかし、2022年に発覚した性的非行&隠蔽スキャンダルや、2024年に元WWE女性従業員がビンスを相手に起こした性的虐待訴訟など、彼の暗い部分も題材として扱われます。
こうしたスキャンダルが明らかになった後、プロレス界の住人たちがビンスについて語る時は慎重な姿勢を取ることが多くなっています。また、2025年1月からRAWがNetflixで配信される番組になるWWEにとって、WWEの暗部が扱われるのは心穏やかなことではないでしょう。
Fightfulによれば、WWE所属のあるベテラン選手は、「現在のビンスの私生活に、誰も関心を持つべきではない」と主張し、十数人以上のWWE関係者が「ビンスとの関わりを断ち、前に進みたい」と考えているそうです。
また、ビンスの功績が扱われるパートで使われるロック様らのインタビューは2024年の性的虐待訴訟が起こるよりも前に収録されたもので、作品のエピソード1ではその点について視聴者に告知されるといいます。
そして、ビンスを相手取って性的虐待訴訟を起こした元WWE女性従業員は、ドキュメンタリーへの参加・インタビューへの協力をNetflixから求められたものの出演を断ったとのこと。番組内では名前のみが言及される可能性が高いようです。
この作品は2020年に制作が始まり、2022年のスキャンダル発覚により制作が一時中断したこともありました。そして2024年には性的虐待訴訟まで起こり、どのような形で作品として成立させるのか、そもそも公開は可能なのかなど、様々な議論の的になってきました。もともと制作に関与していたWWE Studioは、作品がビンスのスキャンダルを取り上げることが決まった後で作品から手を引きました。
今現在のビンスを手放しに称賛することは不可能。どのような作品に仕上がっているのか、見ないわけにはいきません。
(Fightful, Wrestling Inc)