WWEでは、ライターたちが書いた台本をもとにWWEスーパースターたちがプロモを披露することが珍しくありません。発言の自由を与えられるには、クリエイティブ・チームからの信頼を勝ち取る必要があります。
この方針の中で活躍していくことに適応できる選手がいる一方で、「息苦しさ」を感じる選手もいます。長年にわたってWWEで活躍してきたMVPもその1人です。
現在はAEWでユニット「ハート・シンジケート」のメンバーとして活躍する彼は、最新のインタビューで「台本プロモの難しさ」を語りました。若手の頃に受け取った台本に、「強烈な違和感」があった…という経験が苦手意識を植え付けたようです。
デビューしたての頃だった。MVPが契約にサインする記者会見のシーンで、俺に渡された台本を読んだんだ。そこにはこう書いてあった……。「俺のこのイカした服、見てくれよ」はぁ?
俺はこんなこと絶対言わねぇと思って、ダスティ・ローデスに見せたんだ。「これ、何なんすか?」ってな。そしたらダスティが言ったんだ。「おいおい、これはひどいな。誰が書いたか知らんが、お前はお前らしくやれ」ってな。
「これ書いたの誰だ?」って聞いたら、コネチカットのWWE本社にいる誰かで、その日は現場にすら来てなかった。そこで気づいたんだよ。「こいつら、俺のことは書けねぇな」ってな。
プロモの概要をくれるのはいい。どういう展開にしたいかを教えてくれれば、自分でやれる。でも、二度とあんなもん渡すなって思ったよ。
WWEスーパスターとライターの相性もあるでしょうが、こういう経験をした選手は少なくないでしょう。そうした状況でどう振る舞い、クリエイティブ・チームと付き合っていくのか。そこに個性が現れます。
(Fightful)
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