2016年に始まったジョン・シナとAJスタイルズの抗争。トップスター同士の戦いは大きな話題になりましたが、シナは「AJを嫌う理由」を探すことに苦労していました。
最新のインタビューで自身のキャリアを振り返ったシナは、「対戦相手を嫌う理由を説明するための逸話を見つけるのが好きだった」と告白。インタビューなどで相手が自分を批判した言葉などを探すのが日課だったのだそうです。しかし、AJは「あまりにもいい奴」だったため、シナは抗争に向いているネタを見つけることができなかったのだとか。
初めてAJスタイルズと仕事をした時の感想は……あいつはスポーツエンターテインメント界で最もいい人だったよ。俺はいつも、「昔、お前はインタビューで俺についてこう言ってたよな」とか、「お前の試合運びが気に入らねえんだよ」とか、相手を嫌うための何かしらのエネルギー源を見つけるんだ。
でも、AJは本当にいい奴なんだ。俺は座り込んで、「おい、これじゃマズいぞ。なんで俺たちは戦うんだ?」ってなったよ。まるで「どういう意味だ? なんで戦うかって? 王者になりたいからさ」って感じだけど、それじゃ不十分だ。俺はネット中を必死に探して、彼が過去に言った言葉を何か見つけようとした。どんなことでもいい、たった一文でもいいんだ……と思いながら。でも、彼は誰の悪口も言わないんだよ。
シナは、最終的にうまくいくストーリーのアイデアを思いついたのはAJのおかげだ…と語りました。AJは、キャラクターとして「自分はシナよりもリング上のレスラーとして優れているのだから、シナが長年占めてきたトップの座にいるべきだ」と感じることにしました。
俺は彼のところへ行き、話し合った。そして彼はようやくこう言ったんだ。「わかった、これは本名のアレン・ジョーンズとしてじゃなくて、AJスタイルズとしての発言だ。AJはこう考えているのかもしれない。もしあんたがいなければ、俺があんたのポジションにいて、もっとうまくやれていただろうってな。リングの中なら、俺のほうが上だから」って。それを聞いて俺は「決まりだ」って言ったよ。
そうして俺たちはストーリーを構築し、Royal Rumbleでの試合に至るまで盛り上げた。彼の言い分はこうだ。「俺は、リング上のパフォーマーとしてあんたよりも格上だ。あんたはカリスマ性はあるが、運が良かっただけだ。この二人をリングに入れれば、いつだって俺があんたを翻弄してやる」ってな。
そこで、シナのファンは「ふざけんな、シナは俺たちのヒーローだ」となるし、TNAを見ていた連中は「俺たちの代表がついにチャンスを掴んだ。こいつはすげえんだぞ。彼の実力を見るまで待ってろ」となる。これで観客は二分され、興味を持つようになる。これならちゃんと展開できるテーマだろ?でも、そこに行き着くには、じっくりと「なぜ俺たちは戦うんだ?」と問いかけなきゃならないんだ。
(Fightful)
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