イギリスを拠点に活動しているインディ界の人気者、デヴィッド・スター。4月5日にニューヨークで開催されたRevProの興行で石井智宏とシングルマッチで激突したレスラーです。実力派として知られるスターは、WrestleTalk.comのインタビューで、WWEからのオファーをこれまでに何度も断っていることを明かしました。
WWEへの移籍を断り、イギリスに移住した理由
過去に2,3度話が来たけど、断ってる。ヘルスケアって、ヨーロッパの観客は忘れがちなことなんだよね。病院に行けるのは幸運なことなんだよ。これが私がイギリスに移住した理由。
WWEのヘルスケア対応については批判されることもあります。コメディアン出身のニュースキャスター、ジョン・オリバーは、レスラーはWWEと独占契約を結ばなければならないにもかかわらず、WWEは彼らを従業員ではなく個人事業主として扱い、彼らの健康保険料を支払う必要がない状態にあることを痛烈に批判しています。
レスラーにとっても魅力的なイギリスの医療制度
アメリカ人であるスターがイギリスに移住した理由として挙げているのは、NHSというイギリスの医療制度のことを指しているのではないかと思われます。
NHS(エヌ・エイチ・エス)の基本精神は「万人への普遍的な医療サービスの提供」であり「患者の医療ニーズに応じて公平なサービスを公的予算で提供」しています。
「万人」というからには留学生や移民、外国人観光客たりとも例外ではありません。病気になったり怪我をしたりしたら普通のイギリス人と同様に必要な医療を受けることができます。この医療費というのは予防医療、入院費、リハビリなどすべて含めた費用です。
イギリスNHS国民医療制度:移民も外国人旅行者も医療費が無料ってホント?イギリスでは基本的に医療費が無料です。NHS(National Health Service) という国民医療制度のおかげで、お金持ちも貧乏人も子供も大人も、そして移民や外国人旅行...
いい制度ですよね。マイケル・ムーアの「シッコ」というアメリカの医療問題に切り込んだ作品でもNHSが取り上げられていました。アメリカで怪我をすると本当に大変ですからね。
色んな理由でWWEからのオファーを断るレスラーがいます。スターの件はその一例として覚えておきましょう。
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