AEWのテレビ番組はワーナーメディア系のテレビ局で放送されています。DynamiteはTBS、RampageはTNT。どちらもレイティングは安定しており、テレビ局はその数字に満足しているとされています。
2022年3月、AEWのトニー・カーン社長はROHの買収を発表しました。彼がオーナーとなってから初めてのイベント「Supercard of Honor」は評判がとてもよく、レジェンドOBのサモア・ジョーがサプライズ登場するという出来事も。
現在、AEWのテレビ番組は放送時間が足りていないと考えられています。ロースターは増える一方。DynamiteとRampage合わせて週3時間の放送では、ロースターに十分なスポットライトが当たらないのです。Youtube番組「AEW Dark」シリーズへの出場がメインになっているレスラーも多く、この状況は改善されるべきだ、と多くのファンが考えています。
そんな中でトニーがROHを買収したことにより、ROHがAEWにとってのNXT的な立場の団体となることが想定されています。ワーナーメディア系でROHのテレビ番組が放送されることを待望する声も多く、実際に番組が立ち上がる可能性はゼロではありません。
ESPNによるインタビューの中で、トニーはROHとテレビ番組立ち上げの可能性について語っています。
言いにくいんだよ。Supercard of Honor開催を許可してくれたAEWのメディアパートナー、ワーナーメディアにはとても感謝している。ROHのアナウンスチームを起用し、最近までROHに参戦していたレスラーたちを登場させ、かつての常連やレジェンドたちもビデオやサプライズという形で登場させる。ROHのショーを作りたかったんだ。ヤング・バックスが復帰したり、当日の夜にAEWと契約したサモア・ジョーがサプライズ登場した、という出来事もあったね。
ワーナーメディアの許可を得てAEWのリソースを使ったんだ。彼らは「これはAEWのショーではない」ということを理解してくれた。ROHのショーなんだと。[…]その結果、ROHの歴史上最も成功したショーの1つになった。ワーナーメディアは俺の考えに対してとても冷静だった。ROHをウィークリー番組とすることについては大きな可能性があると思っているよ。
俺は、AEWとは別の事業体としてROHを所有している。ただ、俺はワーナーメディアとテレビ番組の放送に関する契約を交わしていて、彼らのためにプロレス番組を制作するつもりだ。ワーナーとは色んな話をしてきたよ、みんなにとって意味のあることだと思うからね。そして、彼らはそれを受け入れてくれていると思う。ただ、我々の短い年表において、私から求めたものは、基本的にポートフォリオの外側で何かをするという免責のお願いだった。
ROHを成長させるため、我々には何ができるのか。そのことについて、ワーナーメディアとさらに会話を重ねているんだ。ROHは、ウィークリーシリーズと大規模なイベントを続けるのが理にかなっていると思うな。我々はSupercard of Honorを成功させた。批評的にも、興行的にも。これは、ワーナーメディアがROHやAEWに興味を持つ良いきっかけになると思う。相互補完的なプロレスブランドには大きな可能性があるよ。
「相互補完的なプロレスブランドには大きな可能性がある」という考えは、AEWが様々な団体と良好な関係を築く考えのベースになっているかもしれませんね。新日本プロレスワールドでDynamite & Rampageの最新エピソードが配信されるようになったり、メキシコのAAAと安定した関係を築いたり。
これまでは夢のお話だったことが次々と実現しているわけですし、これからもトニーの手腕には期待してしまいます。