2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが起き、ファンを会場に動員して番組を放送することができなくなったWWE。
苦肉の策として、会場を長期間リースし、会場にファンをバーチャル表示する「ThunderDome」システムを導入しました。もう二度と見ることができないかもしれない、独特な世界観でのプロレス番組制作となりましたが、評判はあまりよくありません。
しかし、サミ・ゼインはあの時代のことが好きなようです。ライアン・サティンによるインタビューの中で、彼は次のように語りました。
俺はThunderDome時代が大好きだよ、みんなは否定するかもしれないけどさ。まあ、俺も会場の観客が大好きだしね。しょっちゅう言ってるわけじゃないけど、あの時代も好きだ。観客が会場にいるこの時代を共有できることがどれだけ幸運なことか、もちろん理解している。
ただ、ThunderDomeは会場にファンがいなかったわけで、新しい、クリエイティブなやり方への道が開かれたわけだよ。WWEはそこを十分に活用できていなかったと俺は思うんだ。個人的な意見だけどさ。我々は会場に観客がいる想定でプレゼンをしていたけど、実際にはいないわけじゃない?特にThunderDomeが始まる前にパフォーマンス・センターで収録していた時は、バーチャルな観客すらいなかった。変な感じだったよね。
(2020年に開催された無観客でのレッスルマニア36でダニエル・ブライアンと対戦したことについて)あの試合について俺が誇りに思っているのは、あの試合を振り返ってみると、空っぽの会場でも変な感じはしない、ということだね。他の試合は、無観客だと本当に変な感じなんだよ。
俺の意見は、ショーをこれまでとは少し違った方法、違った文脈で見せる機会を逃してしまったんだと思う。観客の存在やセットはとても重要なものだけど、あの時はそれがなかった。我々のショーにとって、最も相互的に左右するユニークなものなんだけど。だからこそ、プロダクトを違う形で見せることができたかもしれない。個人的には、団体がそれをフルに活用できたとは思っていないよ。俺自身も、俺のキャラクターとしてもそうだ。もっといろんなことをする余地があったと思う。
あの頃のような光景を今後目にすることがあるかどうかはわかりません。ただ、もしもう一度「無観客」を強いられるようなシチュエーションが長期間続くようなことがあった時、WWEや選手たちはどのような形で「改善」するのか、ちょっと興味はあります。