WWEを揺るがしているビンス・マクマホンのスキャンダル。
不倫や性的非行が暴露されることを防ぐため、16年間で4人の女性たちに対して総額1200万ドルの口止め料を支払っていたことをウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。これがきっかけでNetflixが制作していたビンスのドキュメンタリー番組の制作が中止となり、ビンス自身もこの件に関するWWE役員会の調査が終了するまで会長&CEO職から離れることに。クリエイティブ・コンテンツの仕事に専念しているビンスは、この件についてバックステージで何も語ることはなく、少なくとも彼の周辺ではタブー視された話題となっています。
あの大物はどう考えているのでしょうか?AEW所属の大御所クリス・ジェリコは、Podcast番組「True Geordie」にゲスト出演した際、このスキャンダルについてコメントしました。
(ニュースを聞いて驚いたか、という質問に対し)そうでもないよ。
この件に違法性はないんだ。彼は不倫をして、相手の女性が何も言わないようにするために口止め料を払い、次に進んだんだ。「なるほどね。それで?」って感じかな。みんなこのスクープに飛びつきたがっているけど、ここにはプロレスという下地がある。「これはプロレスだ。ただのプロレス」。最初のインパクトは大きかったけど、その後が続かなかったよな。
これがもしハリウッドの話だとしたら……ハーヴェイ・ワインスタイン(女優たちに性的暴行やセクハラを繰り返していた超極悪人の元大物プロデューサー)の件との違いは、ワインスタインは女性たちに「仕事を与える」ことで縛り付けていたんだ。「俺とヤルか、主役をやらないか」という男だったよね。ビンスの件はそういうことじゃなかった。双方が納得した上で不倫し、彼は女性たちに口止め料を払い、彼女たちはそれを受け取ったんだ。ビンスのことはよく知っているし、そんなことが起きていたなんて最低だよ。彼はひどいことをした。でも、そこから何かが起こるのかというと、それはないんじゃないかな。
不倫スキャンダルの影響はそれほど大きくないのではないか、双方が納得した上でしていたことでもあるし……という意見ですね。しかし、ここには元女性選手が受けた被害が無視されています。ビンスから性交渉を強要され、その関係の継続を拒んだことで契約解除に繋がったと主張している人がいるわけです。WWE役員会もこの件について調査していると報じられており、ビンスが他の3人の女性とした不倫とはわけが違うはず。ビンスがどうなるかはここにかかっているのではないかと思います。
(Fightful)