現在、WWEのテレビ番組は、RAWとNXTがNBC系列のUSA Network、SmackDownがFOXで放送されています。
SmackDownのテレビ放送契約は来年に満了する予定で、WWEとFOXの契約交渉は今年後半には始まると見られています。ビンス・マクマホンを中心としたWWEの団体売却の動きにおいて、目標となっているのは、こうしたテレビ放送契約の交渉が始まる前に売却取引を成立させること。基盤をしっかりと固めた上で今後のテレビ番組契約について考えていきたい、というのがWWEの姿勢です。
現地3月9日に行われたモルガン・スタンレーの投資家会議の中で、FOXのCEOであるラクラン・マードックがWWEの団体売却騒動について語りました。
私は、このことを「パートナーシップの進化」だとは思っていない。我々は素晴らしいパートナーだった。素晴らしい関係を築いてきたよ。もし彼らが最終的に事業を売却するのであれば、買収先がこれまでと同じように素晴らしい相手であることを願っている。経営陣がそのまま残れるといいね。彼らは素晴らしい仕事をした。権利の面では、FOXはテレビ放送契約の更新に集中しているよ。その準備はできている。まだ話し合いはしていないけど、向こうから要望があり、準備が整えば、席に座るよ。
ここで明かされたのは、FOXがWWEを売却する気はなく、あくまでSmackDownのテレビ放送契約の更新のみを狙っているということ。SmackDownはレイティングが好調なので、FOXとしても手放したくはないでしょう。
WWEを買収する企業の候補の中にはコムキャスト（NBCユニバーサル）もおり、仮にコムキャストによる買収が成立すれば、NBCの競合他社であるFOXとのテレビ契約交渉に影響が出るかもしれません。WWEの団体売却騒動は、こういった点も面白いところです。
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