All Inのバックステージでジャック・ペリーと喧嘩したことが原因でAEWから解雇されたCMパンク。8万人規模のイギリス大会開催というプロレスの歴史に名を残す大会の汚点となったこの出来事は、AEWの今後を大きく変えることになりそうです。
All In終了後、AEWは喧嘩の調査を開始。規律委員会を開き、外部の法律機関に相談した上でパンク解雇の決断をトニー・カーン社長に提言しました。
レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによれば、パンク解雇の大きな要因になったのは、調査に協力した「レスラーではない人物」の証言だったそうです。喧嘩の一部始終については様々な噂や見解が報じられてきましたが、この人物の証言が最もニュートラルなものだとみなされたようです。
前提を確認しておきましょう。以前放送されたCollisionでガラスを使ったセグメントをやりたかったペリーは団体からの許可を得ました。AEWでは、危険な道具を使った試合やセグメントを行うにあたって団体の許可を得る必要があります。
しかし、Collisionの中心人物としてリーダーシップを発揮していたパンクや他のスタッフたちは、「ガラスを使うのは危険だ」としてペリーの要求を拒否し、セグメントは中止に。この一件で不満を覚えたペリーは、All InのZero Houeで行われたHOOK戦の最中にリムジンのフロントガラスへスープレックスを食らう前にカメラへ向かって「これは本物のガラスだ。川のように泣けよ」とパンクを挑発するような発言をし、カラスへ思いっきり投げつけられて流血しました。
その後、バックステージに戻ったペリーは、本戦の第1試合に出場する準備をしていたパンクのもとへ行き、彼を挑発。パンクがこれを買って喧嘩になった…というのが、これまでに報じられてきた内容です。
今回の焦点になっている証言によれば、パンクはペリーに顔を近づけて「なにか問題があるのか?」と挑発したそうです。ペリーは「あくまでヒールとして熱を帯びようとしているだけだ」と返しましたが、本気にしたパンクはペリーを突き飛ばしてパンチし、首を絞めようとしたそうです。
喧嘩はショーを監督するゴリラポジションの近くで行われたため、多くの人たちがすぐに2人を引き離しました。トニー・カーン社長はパンクに「ペリーを離せ!」と指示しましたが、その場に合ったモニターが彼に向かって倒れてくるというトラブルに見舞われます。
要するに、プロレスを仕掛けた若いペリーに対し、ベテランのパンクはガチでリアクションしてしまったのです。ペリーとしては、今後の抗争などに繋げていきたいという気持ちがあったかもしれません。しかし、パンクが解雇された今、2人が絡むことはできません。
パンクは解雇されたが、ペリーはなぜ解雇されなかったのか?その答えがここにあります。ペリーへの出場停止処分がいつまで続くのか、今後の活動にどのような影響があるのかは不明です。
(Wrestling Inc)