2022年6月にウォール・ストリート・ジャーナル誌が報じ、WWEを大きく揺るがしたビンス・マクマホンによる性的非行&隠蔽スキャンダル。
複数の女性が被害を訴え、WWEとビンスは彼女たちに口止め料を支払ってことを収めようとした…という衝撃的な内容で、ビンスは同年7月に一時的な引退に追い込まれました。
今日、ウォール・ストリート・ジャーナルは新たなスクープを報道。元WWE女性従業員ジャネル・グラントさんが、ビンスを相手に「性的人身売買」を訴える訴訟を起こしたのです。
彼女の訴えやウォール・ストリート・ジャーナルのスクープ記事の内容は悲惨の一言に尽きます。もし訴えが事実なら、彼女は人権や人間性を完全に否定されるような被害を受けていた、ということになります。
曰く、彼女がWWEに在籍していた2019年から2022年にかけて、「キャリアアップの約束」と引き換えにビンスによる性的虐待・性的搾取を受け、WWEの他の男性へ性的人身売買された、とのこと。性行為の写真や動画が団体内の男性たちの間で共有され、元タレント・リレーション部門責任者のジョン・ロウリネイティス(ジョニー・エース)やビンスからオフィスで性的暴行を受け、約束された口止め料が全額支払われることはなく、秘密保持契約を結んだ後も虐待は続いたといいます。また、「UFCファイターで、WWEでも活躍した選手(ブロック・レスナーと思われる)」だけに向けた性的コンテンツを作成することを指示されたり、ビンスから「彼との契約の一部は君とのセックスだ」と言われた…といいます。
2022年7月にWWEの全役職から引退したビンスですが、結局、2023年1月に大株主としての権力を利用して強引に団体へ復帰。団体売却に向けて積極的に動き、2023年4月にUFCの親会社エンデバーによる買収を実現させました。WWEとUFCは合併し、新会社TKOが発足。ビンスはエグゼクティブ・チェアマンとして引き続きWWEを牽引していました。
今回の訴訟を受け、TKOは声明をリリースしました。
マクマホン氏はTKOをコントロールしておらず、WWEの日々の運営を監督していません。この問題は我々のTKO執行チームが会社に就任する前のものですが、グラント氏の恐ろしい申し立てを非常に真剣に受け止め、社内でこの問題に取り組んでいます。
どうやら、ビンスは現在もエグゼクティブ・チェアマンを務めていますが、2023年9月以降は取締役会に関与していないようです。
また、ビンスのスポークスマンを務める人物もこの件にコメントしています。
この訴訟は嘘で満ちており、決して起こらなかった卑猥な捏造された出来事と、事実の悪意ある歪曲が含まれています。彼は自身を力強く守るでしょう。
徹底的に争うことになりそうです。
今回の訴訟内容はあまりにもひどすぎます。2022年にスキャンダルが報じられた時、「ビンスならやりそう」という意見をちらほら見ましたが、もはやそういう話ではありません。
グラントさんは、自分自身の苦しみへ対処するためだけでなく、声を上げることを恐れている人たちのための行動として訴訟を起こしたそうです。現在、彼女はPTSDと希死念慮に苦しんでいます。
(Wrestling Inc)