新日本プロレスワールドの英語実況担当者として新日本の海外人気に大きく貢献したケビン・ケリー。
彼は2023年6月からAEW・Collisionの実況アナウンサーとして活躍していましたが、ROH実況アナウンサーのイアン・リッカボーニとの間に人間関係の問題があったほか、働きぶりもなかなか評価されず、2024年4月に解雇されました。
リッカボーニとの確執は深刻なもので、その歴史は複雑です。もともと、共通の知人の紹介で知り合った2人。ケリーがAEWへやってきたのはリッカボーニがトニー・カーン社長に推薦したことがきっかけでした。しかし、リッカボーニは「ケリーがDiscordで俺の悪口を言っていた」「あいつはQAnon陰謀論者だ」などと公言するようになり……。ケリーはXで「リッカボーニから誹謗中傷された」と訴えましたが、これがAEWから解雇された大きな要因の1つになったとも噂されています。
実際に何があったのかはわかりませんが、とにかくケリーにとってAEWでの日々はネガティブな思い出になりました。バーチャルサイン会でAEWやリッカボーニについて質問された彼は、思いの丈を語りました。
まず、リッカボーニのことは「友達だと思っていた」といい、話し合う機会を設けることはできたはずだ、と主張。実際に彼に連絡を取ったところ、「長年にわたってケリーが俺にしたことについて腹を立てていた」と言っていたそうです。リッカボーニは、「Collisionの実況席で、カウボーイハットがトレードマークのジム・ロスの隣で同じようにケリーがカウボーイハットをかぶっていたことに腹を立てた」ことについてケリーへ詳細に語ったといいます。それ以外にもいろんな背景があったのでしょうが、ケリーは「そんなことで腹を立てるなんて、冗談じゃない」と語っています。
結果的にリッカボーニとの問題はAEWの懲戒委員会が処理することになりましたが、委員会が会合を開いた後もケリーにはその結果が伝えられず。聞き出そうとしても、はぐらかされてしまったそうです。こうした状況に精神的に追いやられてしまった彼はXで「リッカボーニから誹謗中傷された」とポスト。AEWが指定した精神科医の診察も予約していたそうですが、診察日の前に解雇されてしまいました。
今もAEWでの出来事に憤慨している彼は、木村花の事件を引き合いに出して次のように語っています。
ソーシャルメディアの力を人に向け、誤って誰かを非難すると、ひどいことになる。そんなことをしてはいけないし、するべきではないんだ。
木村花に起こったことは、俺に起こったことよりもはるかにひどいことだった。彼女と比べているわけではないけど、同じようなことだよ。
AEWは、俺には合っていなかった。とてもストレスが溜まると感じだよ。とても多くの人がいて…とても多くの混乱があり、それが俺に大きなストレスを感じさせた。新日プロレスの方がずっと幸せだったな。フライトと移動を除いては。
(Wrestling Observer)