プロレスには長い歴史があり、人によって好きな時期は様々です。
現在のプロレス界をよくチェックしている人でも、「一番好きなのはあの時代のプロレスだ」「あのレスラーのあの時期が大好きだった」という人は少なくないでしょう。こうした考えをもとに、現在のプロレス界を批判する人も少なくありません。
しかし、世界最大のプロレス団体であるWWEを牽引するHHHは、そうした考えに否定的。時代の流れを掴み、今の時代に多くのファンから「素晴らしい」と思われるコンテンツを提供することに全力を注いでいます。
最新のインタビューで、彼は「昔のほうが良かった」と言う人たちへの意見を語りました。
様々な視点があって興味深いよね。俺は様々な世代のレスラーを知っているけど、往年のレスラーたちの中には、今の若手の試合を見て「やり方が間違っている。あんなにやる必要はない」と言う人もいる。その気持ちは分かるけど、今の若者たちはそういう形で消費をするんだ。
長く生きていると、かつては情熱を注いでいたものに関心を持てなくなることがある。こんな言葉があるよね。「最初に去っていくのは音楽だ」と。年を取るにつれて「今の音楽はダメだ。俺の時代は最高だった。ミュージシャンは音楽に心と魂を込めて、本当の感情があった」と言う人をよく見かる。いや、あなたが年を取っただけだよ。
確かに、あなたの世代の音楽は素晴らしかったんだろう。でも今の子供たちは違う角度で物事を見ている。我々は、今の若者たちがカッコいいと思うものを提供する必要があるんだ。
そして、若者たちが何をカッコいいと思うかをコントロールすることはできない。俺は30年かけて、そのことを苦労して学んだよ。俺が望むことをWWEで実現するのではダメなんだ。彼らが望むことを提供しなければね。俺の望みを叶えるような内容では、ショーは死んでしまう。若者たちが望むこと、そして全体の大きな絵を見ることが重要なんだ。
(Fightful)