4月6日に開催される新日本プロレスとのROHの合同興行”G1 SUPERCARD”。チーム3Dの一員として知られ、現在はROHで活動しているブリー・レイ(ババ・レイ・ダッドリー)が、マジソン・スクエア・ガーデンでの歴史的興行によってROHに生じる変化について語っていました。自身も参加する一大イベントは、ROHにとってどんな意味を持っているのでしょうか。
17年目にしてプロレス界の大海原に出航することになる
レイは、新日本とROHの提携についてこのように評価しています。
両団体の提携はとてもうまくいっている。双方に利益があるね。とても親密な関係にあって、尊敬し合っている。レスラーたちもそうだ。提携は続けるべきだと思う。
新日本のアメリカ進出において、ROHの存在は欠かせません。大会には必ずROH所属のレスラーが出場しているし、ファンからは見えない部分での協力体制も必要不可欠なものでしょう。新日本は今や世界中でカルト的な人気を博しており、”G1 SUPERCARD”が実現したのも新日本の人気があってこそ。ROHにとっては初めてとなる5桁台の観客を動員するビッグイベントは、ROHにどのような影響をもたらすのか。レイはこう考えています。
今後、ROHは今までに体験したことがないようなユニークなポジションにたどり着くんじゃないかと思っている。17年間、ROHは安全圏にいたんだ。他団体を弄ぶことはなく、誰もROHに手を出さなかった。これまでに1度も直接的な競争相手が存在したことはない。
マジソン・スクエア・ガーデンでの興行を終えると、ROHはプレパラートの上に置かれることになる。16000人の前で興行をしたんだから、普段の小さな会場は必ずソールドアウトにしないといけない。[…]みんなG1 SUPERCARDと普段の興行を比較するようになるんだ。つまり、顕微鏡でつぶさに観察されるようになる感じだね。
WWEから選手を引き抜かれることは日常茶飯事。ただ、WWEからライバル視されたことはありませんでした。「16000人乗観客を集めた団体」として見られるようになるROHは、以前と同じではいられなくなる、という分析ですね。
AEWとのライバル関係
レイは、AEWについても言及しています。
ROHにとって、AEWははじめてのライバル団体になるんだ。AEWのファンはROHのファンでもあるわけで、ファンベースの奪い合いをしなければならない。ROHが取り組むべきことは”identity”だと思っている。ROHは17年目の団体だ。優れたレスラーがいて、優れたアスリートがいて、名試合がいくつもあった。我々はこれらを目撃してきた。ただ、今、ROHは新たな一歩を踏み出さなければならない。独自性を手に入れるために。
ROHの人気者だったBeing The EliteとSoCal UncensoredがAEWに移籍したことで、ROHの独自性は揺らいでしまったかもしれません。ライバル団体となるAEWとの違いをどう打ち出していくのかが、今後のROHを左右していくことになるのでしょう。
ブリー・レイがG1 SUPERCARDで「シングルマッチを行う」ことについてはファンの間でも疑問の声が上がっています。ジュース・ロビンソンとストリートファイトマッチを行うことが発表されましたが、プロレス王が黙っているわけもなく……。本番が楽しみです。そして、20周年を迎える頃のROHがどうなっているのかにも注目したいと思います。
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