近年、WWEのチケット価格は非常に高騰しており、「レッスルマニアは、もやは一般人が会場で楽しめるショーではなくなった」という意見もあります。
2025年4月に開催されたレッスルマニア41では、チケット価格が史上最高額を記録しました。最も安いチケットでも450ドル(約6万5千円)から始まり、2日間通し券の価格は1000ドル(約14万円)を超え、アリーナの最前列は5万ドル(約720万円)を超えるなど、チケット価格の高騰が深刻化しています。
ランディ・オートンは、とあるファンから「スタンドの席に3万ドル(約430万円)払った」と聞き、
正直、恥ずかしいよ。席にそんな金をかけるなんて、マジで馬鹿げてるな。
と語ったほどの事態になっています。
その背景には、アメリカやエンタメ業界のインフレ、WWEがダイナミック・プライシング(需要に応じて価格を変動させる戦略)を導入したことが背景にあります。2015年から2025年にかけて、レッスルマニアの平均チケット価格は140%も上昇。2015年には平均500ドルだったのが、2025年には平均1200ドル(約17万円)になりました。
さらに、通常の番組でもチケット価格は高騰。あるファンによれば、2024年4月に91ドル(約1万3千円)だった席が、2025年7月のRAWでは251ドル(約3万6千円)に値上がりししていたといいます。ホテルや移動費もかかりますから、観戦には莫大な金額が必要な状況です。
こうしたチケット価格の高騰は2023年9月にWWEとUFCが合併し、新会社TKO体制に移行してから顕著になりましたが、TKOのマーク・シャピロCEOは価格を下げる意図がないことを明言しています。
こうした傾向に対し、WWE殿堂入りのテディ・ロングは自身のPodcast番組で「強欲だ」と痛烈に批判しました。
これは強欲というものだ。強欲になると結局自分に返ってくる。今のアメリカの経済状況は決して良くない。多くの人が職を失い、インフレしすぎてチケットなんて買えない。
今日、ウォルマートでいくつか買い物をしただけで200ドルもしたよ。スーパーで売ってる生活必需品ですらこの値段なんだ。自分は支払えたが、そうじゃない人もたくさんいる。
ビンス・マクマホン時代はここまで「1ドル残らず巻き上げる」ような印象はなかったね。TKO体制のWWEは、ファンや家族の生活を顧みず、ありったけ金を絞り取ろうとしているように見える。結果的にファンが離れていく危険性があるんじゃないかな。
レッスルマニアのような特別大会なら高額でもファンは集まる。でも、通常のショーでもこのまま価格を上げ続ければ、いずれ一般ファンが遠ざかってしまうよ。
(Wrestling Inc)
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