SummerSlam・二日目を締めくくったのはブロック・レスナーの衝撃的な復帰でした。ジョン・シナの引退ロードに参加する彼の登場には、賛否が分かれています。
2024年1月から復帰までの間、彼は元WWE女性従業員がビンス・マクマホンを相手に起こした性的虐待訴訟の影響で欠場を余儀なくされていました。この訴訟の中で、レスナーはビンスと共に女性を「商品扱い」して性的に搾取していたことが告発されており、訴訟はまだ終わっていません。
レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーとブライアン・アルバレスは、そうした状況でレスナーの復帰が実現した背景を報じています。
法務部の許可
先日の報道では、レスナーの復帰は「法務部が許可を出すかどうか」にかかっているとされていました。訴訟が終わらない限り、彼の復帰は難しいだろうとされていたのです。
メルツァーによれば、法務部は4週間前にレスナーの復帰を認めたのだそうです。その理由は不明ですが、例の訴訟に関連した動きなのは間違いない、とのこと。和解へ進む見通しが立ったのか、レスナーの問題が晴れたのか、それともWWE内部で方針が変わったのか…。詳細は不明です。
ただし、元WWE女性従業員の代理人は、SummerSlam終了後に以下の声明を発表しています。和解はなさそうですが…。
長きにわたり、WWEの経営陣のもとで虐待が放置されてきた。この問題を正すどころか、WWEは責任者を追及するための何の措置も取っていない。不正を隠蔽しようとする試みは必ず裏目に出るだろう。
我々は法廷という正当な場で、レスナー氏に関する事実を含む全容が明らかになることを望んでいる。それまでの間、マクマホンや他の関係者による女性への虐待の詳細が記された、訴状に目を通してほしい。
SummerSlam終了後の記者会見がなかった理由
通常、WWEはPLE終了後にメディアを招いた記者会見を開催し、様々な質問を受け付けます。しかし、SummerSlam二日目の終了後はクリエイティブ責任者HHHらが出演するトーク番組形式でショーの振り返りが行われ、メディアの質問は認められませんでした。
メルツァーによれば、記者会見がなかった理由は「WWEがレスナーに関する質問に答えたくなかったため」とのこと。また、アルバレスは「HHHが、ホワイトハウスで行われた体力テスト復活に関する大統領令の署名式に出席したことも理由の1つだったかもしれない」と指摘しています。このテストは、測定による格差や心理的負担などが批判の対象となり、オバマ大統領時代の2012年に段階的に廃止されていました。
レスナーの復帰が穏便に進むわけがなく、今後も議論は続くでしょう。WWEの対応に注目です。
(Wrestling Observer)
あわせて読みたい

