プロレス界では、誰もがヒーローとして歓声を浴びるわけではありません。ヒールとしてブーイングを集める存在も重要です。
優れたヒールは、ベビーフェイスの強敵として立ちはだかるだけでなく、会場の雰囲気をコントロールする能力や、激しい憎悪の対象になる覚悟も求められます。絶対的ベビーフェイスとして台頭したベッキー・リンチもヒールを演じることがありますが、その様子は一人娘ルーにショックを与えたようです。
夫セス・ロリンズ共に応じた最新のインタビューで、2人は観客がベッキーに対してブーイングを送る光景を見たルーが泣き出してしまったことを振り返りました。
ああ、なんとか説明しようとはしてるんだけどね。あの子、すごく動揺しててさ。最前列に座って、初めてショーを見た時だった。プロレスの入場曲には興味を持ち始めてたけど、試合そのものにはまだそこまでじゃなかった時だよ。
あの子は、最前列で女子ラダー戦を見て、すごく楽しんでたんだ。その後、私が出ていって、ヒールとして悪役を演じた。私が意地悪をするのは平気だった。私がボコボコにされるのも平気だった。
でも観客が「Becky Sucks!!」ってチャントし始めたら、もう耐えられなかったみたいだ。「ママは最低じゃないよ。なんでみんなママのこと最低なんて言うの?」って言って、泣き出しちゃって、裏に戻らなきゃならなかった。
「これは仕事なんだよ、嫌われるってことは仕事が上手くいってるってことなんだよ」って説明しようとしたんだけど、あの子は「でも、ママは最低なんかじゃないもん」って。まだ理解できてないんだよ。今でも時々聞いてくるんだ。「なんで、みんなママのこと最低って言ってたの?」って。
ああ、数年前のMoney in the Bankの時だな。俺はラダー戦から戻ったばかりで、惨めな気分だったし、すごくイライラしてたよ。だから、リングから直でバスに戻って子供に会いに行ったんだ。
怒ってたけど、娘の顔を見たら嬉しくてさ。あの子のおかげで一瞬で嫌な気分が吹っ飛んだよ。そうしたらあの子が言うんだ。「なんでみんなママのこと最低って言ってたの? なんで?」って。
数週間前の月曜にも、一緒にテレビを見てたんだよ。ベッキーが試合をしてて、あの子が「みんなママのこと好きになった?」って聞くから、俺は「うーん、違うんだよベイビー、みんなはママにブーイングしなきゃいけないんだ。それがママの仕事だからね」って教えたよ。
あの子、そういうことですごく落ち込んじゃうんだよな…。
普通の子供なら、両親が大勢からブーイングされる様子を見たら落ち込みますよね。プロレスラーの子供は大変です…。
(Fightful)
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