「ザ・ビジョナリー(The Visionary)」ことセス・ロリンズはWWE屈指の人気者。今の彼があるのは、コロナ禍で経験した「停滞」がきっかけでした。
最新のインタビューで、彼はザ・ビジョナリー誕生の裏側を語りました。コロナ禍の真っ只中だった2020年から2021年にかけてのWWEが精細を欠いていたこと、トライバル・チーフことローマン・レインズの人気ぶりにヒントを得てランディ・サベージらレジェンドを参考にキャラクターを構築していったこと…。当時の彼には、考えを巡らせる時間が必要だったのでしょう。
ザ・ビジョナリーというキャラクターを作っていた時、ちょうどコロナ禍から抜け出そうとしていた時期だった。俺たちはコロナ禍でも生放送を続けていたんだ。NFLが無観客で試合をしたように、俺たちも無観客でテレビ番組をやっていた。
退屈だったよ。死んでたね。エネルギーがなかった。パフォーマンスセンターでやっていた時もそうだし、その後フロリダのトロピカーナ・フィールドで常設公演をやった時もそうだった。
2020年の12月に子供が生まれて、2ヶ月か1ヶ月くらい育休を取ってWWEの番組を見ていたんだけど……あの頃は「パッとしない」番組だったね。なにもかもが。すべてがトーンダウンしていた。プロモも、バックステージも、何もかもが抑えられていて、スローに感じたよ。
あと、みんながトレンドに追随しようとしているように見えた。当時、ローマン・レインズがトライバル・チーフとしてすごく人気だったからな。マフィアのボスみたいで、とても静かで控えめなスタイルだよ。そんな状況の番組を見ていて、「プロレスのこういうところは好きじゃないな」っていう気持ちになった。
俺が好きなのは、常人離れしていて、鮮やかな色使いで、派手なやつさ。マッチョマン・ランディ・サベージのようにね。彼のプロモの話し方は派手だったけど、戦う時になればシリアスに受け止められていた。
リック・フレアー、リック・マーテル、ミスター・パーフェクト、リック・ルード……。彼らは、憎らしいけど同時に大好きだった悪役たちだ。だから、ザ・ビジョナリーがどうあるべきかを考えた時、彼らの要素をいくつか取り入れたんだ。ランディはたぶん、このキャラクターに最も大きな影響を与えた一人だと言えるね。
ランディ・サベージの遺伝子は、セスのようなレスラーたちに確実に受け継がれています。
(WrestlingNews.co)
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