2020年3月からAEWに参戦しているコルト・カバナ。彼は新日本プロレスにも参戦可能な契約を結んでいますが、コロナ禍という状況もあって2020年2月以来の新日本参戦は実現していません。
インディ界の大物として業界をサバイブし続けてきた彼は、AEWでコーチも担当しています。選手たちを指導する立場について、彼はこう語っています。
コーチもレスラーもやれるのは楽しいね。レスラーとしては、ジェリー・リン(2019年からコーチを務めているベテラン)から指導を受けたことはそう多くないけど、コーチとしては一緒にノートを取りながら選手を指導する仲間だ。以前、俺がノートを取っているのを見て「うおお、ノートを取るやり方なんて考えたこともなかったよ。すごいノートだね!」と言ってくれたことがあるんだよ。ジェリー・リンのような男が、謙虚な姿勢で、30年も35年も働いている業界でまだ学び続けているというのはクールなことだ。
選手たちにこんなことを言われたことがある。「あなたからノートを見せてもらって、色々と指摘されるのは怖いことじゃないですね」って。俺は選手たちを怒鳴りつけたいわけじゃなくて、みんなを最高のプロレスラーにしたいだけなんだ。能力の限界まで導きたい。ジェリー・リンはまさにそういうタイプのコーチなんだよね。一緒に働けて光栄だよ。
選手として、とあるダメなコーチの指導を受けた経験がある。リーダーシップは大切だと思うけど、誰もがコーチングを学んでいるわけじゃない。指導するにも経験が必要だ。俺が思うに、ダメなコーチに出会った経験を活かす方法は2つある。それが当然だと考え、自分も同じように指導し、最低な奴になってしまう、というのが1つ。もう1つは、「俺はダメなコーチに当たってしまったことがあるけど、あんなのは嫌だ。選手たちに同じ思いをしてほしくない」と自分に言い聞かせることだよ。
怒鳴りつけられるような指導を選手が望んでいるとしたら、それはそういう文化があるからなんだろうね。俺は「選手の成長の手助けをする」という考え方が好きだ。選手に対して、「ああ、君のそれはあんまり良くないかもしれない。でも、それを深堀りしたり、別のやり方を探したりしてみない?」というようにアプローチするんだ。選手たちには自信をつけてもらいたいからね。自信はアートや想像の源だ。コーチが選手の自信を育もうとしなかったり、思考を奪ってしまったら、彼らはスターになることができないんだよ。
俺はいろんなことをやりたいんだ。俺がPodcast番組やコメンテーターをやってきたことはみんな知ってるよね。一つのことに没頭したくない性分なんだよ。昔、何か1つのことに人生のすべてをかけたこともあるんだけど、その結果(WWEから)クビになっちゃったんだよね。やりたいことはいくつも考えておいて、1つがダメになったら他のことをする、というようにしてるんだ。
とてもおもしろいインタビューでした。カバナが育てた選手たちがスターに育っていくのが楽しみです。
(参考: Wrestling Inc)