2019年1月にAEWの旗揚げが発表されると、The EliteやSCU、ベストフレンズといったROH参戦レスラーたちがAEWに移籍しました。2019年のROHは、新日本プロレスとの合同興行「G1 SUPERCARD」で歴然とした新日本との力の差や、バックステージでの相次ぐ事件により評判を落とす散々な一年になり、マーティ・スカルをヘッドブッカーに据えて巻き返しを図った2020年は、新型コロナウイルスと#SpeakingOutムーブメントによりまたしても満足な一年とはならなかったのです。
AEW旗揚げによるダメージの大きさを、現場のレスラーたちはどう捉えていたのでしょうか。元ROH世界王座チャンピオンのマット・テイヴェンは、Live Wrestlingのインタビューの中で次のように語っています。
まあ、何が起こるかはわかってた。一昨年はロースターの半分が去っていったんだ。そういう状況で頑張るのは大変なことだよ。でもな、それこそが俺の現役選手としての原動力なんだ。何が言いたいかというと、俺はただのプロレスファンではなく、生涯を通して何らかのスポーツに取り組んできたアスリートであり、競争心を持っている、ということ。モノポリーに勝つためなら、誰かと1日中テーブルを囲んだって構わない。[…]「やってやるよ!」って気持ちを持ってるんだ。苦しい状況でも前進する。殴られたっていい。
(ケビン・スティーン(ケビン・オーエンズ)やCMパンク、ブライアン・ダニエルソン(ダニエル・ブライアン)、サモア・ジョー、タイラー・ブラック(セス・ロリンズ)が団体を去り、WWEのメインイベンターになったとしても)それがROHの特徴で、良さでもあるんだ。ロッカールームに才能のあるレスラーがいたら、「やべ、頑張らないと」と思う。そういうことだよ。[…]ROHは競争心に満ちている。過去との違いがあるとすれば、チームとしての競争心かな。「いいよ、俺のことを疑ってるやつがいるなら、その愚かさを思い知らせるほどに活躍してやろう」ってね。今のROHには、シェイン・テイラー、ドラゴン・リー、ジョナサン・グレシャム、ジェイ・リーサル、ケニー・キング、ルーシュがいる。「みんなについていくために頑張らないと!」と思わされる環境だよ。これこそがROHの良さだ。プロレス界で革新的な力を発揮してきた理由だと思う。
(参考: Cultaholic)