現地時間5月12日に放送されたAEW・Dynamiteのオープニングマッチは、ジョン・モクスリーと永田裕志によるIWGP USヘビー級王座のタイトルマッチでした。永田のセコンドは成田蓮!会場にはロッキー・ロメロも駆けつけました。
Sports Illstratedは、この試合の実現に至る背景や、両選手の思いを伝えています。
永田: ジョン・モクスリーが俺と戦いたいと思い、挑戦表明をし、俺をアメリカとAEWに招待してくれたことにはとても感謝しています。モクスリーのことはとてもリスペクトしていますが、その多くを占めているのは、彼が新日本プロレスの競技レベルを理解していることです。
モクスリーが「永田と戦いたい」と思ったのは、2020年2月に開催された「The New Beginning in Osaka」に参加した時のこと。鈴木みのるを相手にUSヘビー級王座のタイトルマッチを行う前、モクスリーは永田が参加した8人タッグマッチを見ていたのだそうです。
モクスリー: 永田が選手たちを蹴散らしているのを見たんだよ。永田については、交わることもなければ、同じ瞬間を共有することもない相手だと思っていた。カート・アングルやブレット・ハートと同じで、戦いたいと願っても「世代が違う」が故にその願いが叶わない。そんなレスラーだと。でも、試合を見ていて、「マジか、永田はまだやれるじゃないか」と感じたんだ。
(新日本のブッカーを務める)外道にこう言った。「いつか永田と戦うことができたら最高だ」と。デッカイことをやりたいというわけじゃなくてさ、俺のホームで血みどろの抗争をするとか、俺が襲撃を仕掛けるとか、そんなことじゃなくて、ただリング上で戦いたいと思った。[…]外道は「Ohhhhhh, わかった、覚えておくよ」と言ってた。
ロッキー・ロメロがさ、「モクスリーがまだ永田と試合をしたがっている」と外道に伝えてくれたんだよ。それで、永田がNJPW STRONGでの試合のためにアメリカに来るって。俺たちの計画ではSTRONGでの試合だった。クソやべえなって思ったよ。
モクスリーは、この計画についてAEW社長トニー・カーンに報告しました。すると……
トニーは「Dynamiteでやればいいじゃないか」って。俺も「もしできるなら、そのほうがいい。永田のようなレジェンドにとっては、STRONGでの試合よりも大きいだろう」と言ったよ。俺たちが考えていたのは、永田がTNTに戻ってくるチャンスだということ(かつて、永田は1997年から1998年にかけてWCW Monday NITROに参戦していた。放送局はDynamiteと同じTNT)。いつかは知らないけど、トニーは新日本とこの件について話を進めていて、実現したんだ。これは彼のキャリアを祝福するチャンスでもある。
信じられないかもしれないけど、いろんな団体の人から「永田と仕事ができるなんて信じられない」というメッセージをもらったんだ。普段はやり取りをしていないような人からも来たよ。STRONGやDynamiteで永田と試合ができる、ということがいかに特権的な出来事なのかを痛感したね。
今、俺たちは何が起こってもおかしくない状況にある。俺は永田というレジェンドと戦う機会を得た。他にもなにか起こるかもしれないよ。
いい話ですね。試合の裏側を選手自身が語るあたりがアメリカらしい。
(SI)