現地時間9月5日開催のPPV「ALL OUT」は開催前から世界のプロレスファンの間で話題になっていました。CMパンクの復帰戦やヤング・バックスとルチャ・ブラザーズによるAEW世界タッグ王座を争うスチールケージマッチ、ケニー・オメガとクリスチャン・ケイジによるAEW世界王座のタイトルマッチが行われるほか、ブライアン・ダニエルソン登場の噂までありました。
蓋を明けてみると、行われた試合はどれも充実した内容で、ブライアン、アダム・コール、ルビー・ソーホー(ルビー・ライオット)、鈴木みのるのサプライズ登場までありました。ヤング・バックスとルチャ・ブラザーズの試合は「史上最高のスチールケージマッチ」と呼ばれるほどの名勝負になりました。
PPVはテレビで放送されないため、視聴するにはお金を払う必要があります。WWEや新日本プロレスは独自の動画配信サービスを所有しており、定額料金を支払うことでPPVやビッグマッチから通常のテレビ番組まで視聴可能です。しかし、多くの団体は今もPPVの視聴権を購入してもらうスタイルを取っています。AEWも同様です。
AEWのウィークリー番組Dynamiteの視聴者数は時期によって傾向が異なります。2019年10月の放送開始当初はミリオンに達することもありましたが、2020年に入ると70〜80万台をウロウロするようになりました。2021年は、いわゆる「禁断の扉」が開いて他団体との交流が活発になったこと、またプロレス界のビッグネームが次々に入団するようになったこともあり、再びミリオンを突破することが増え、現地時間9月8日放送の最新回は130万人を突破しています。RAWの最新回の視聴者数は平均180万人ほどでした。
Wrestlenomicsが公開しているPPVの購入件数を見てみると、2020年までの最高記録はThe EliteとThe Inner Circleのスタジアム・スタンピート・マッチが行われた「Double or Nothing」(2020)の10,5000件が最多で、これ以外のPPVはすべて10万台の壁を突破できていませんでした。しかし、2021年に入ると、ケニー・オメガとジョン・モクスリーによる有刺鉄線電流爆破デスマッチが行われた「Revolution」で10万台の壁を飛び越える135,000件を記録。そしてついに、ALL OUTで大幅に記録を更新します。
Podcast番組「Busted Open Radio」に出演したAEW社長のトニー・カーンは、ALL OUTのPPV購入件数が20万件を超えたことを明かしました。WWE以外の団体の数字としては、90年代にWWEのライバル団体だったWCW以来の記録です。
Dynamiteの視聴者数が増えるのと並行して、PPVでも素晴らしい結果を残すことに成功しました。AEWは順調に勢力を拡大しています。ロースターが拡大しすぎてテレビ番組に出られない選手が増えてしまっているという問題もありますが、このままの勢いで頑張ってほしいですね。
(Fightful)