元AEWの女性レスラー、ビッグ・スウォールがAEWの構造的問題を指摘したことが発端となったトニー・カーン社長炎上騒動。
彼女は「AEWには人種・文化的多様性が欠けている」と指摘し、AEWには黒人文化をレペゼンする存在がいない、という欠陥を批判しました。これに対し、トニーは
AEWの重役のトップ2は褐色人種(俺とメガ・パーリク)だよ!!ジェイド・カーギル、アンソニー・ボーエンズ、マックス・キャスター、ダンテ・マーティン、ナイラ・ローズ、アイザイア・キャシディ、マーク・クエンが12月にテレビ番組に出て勝った。TBS王座の初代チャンピオンを決めるトーナメントの出場者は多種多様だよ。スウォールと再契約しなかったのは、彼女のプロレスが良くないと思ったからだ。
とツイート。確かに、様々な人種・文化的背景を持つレスラーがAEWで活躍しています。しかし、リオ・ラッシュは、今回の問題の本質はそこではなく「人種的な無神経さ」にあると考えており、トニー & メガと黒人コミュニティの苦労などについて話し合う機会を設けたことを明かしました。
トニーのツイートは様々な観点から炎上しましたが、スウォールはこれを読んでどう思ったのでしょうか?自身のPodcast番組で、彼女は次のように語っています。
あのツイートは必ずしも私に向けられたものではなかったんだけど、ある人から「彼に反応しちゃダメ、そんな価値はない」っていうテキストメッセージをもらったんだよね。新年がもうすぐそばまで来てた時だったからちょっと気分がハイになってたんだけど、そのテキストメッセージを読んで「うわっ、これは大変だ」って思っちゃった。行間を読むのが大変でさ。
で、炎上騒ぎを見た時に最初に感じたのは……「うっ」って感覚。自分が何かを見下してるの、わかってる?うわわわ、なに?なんで?そこでやめておけばクールだったのに、続けるの?ねえ。まだ試合を続けられるだけの精神力があるっていうの?クソったれ、信じられなかった。そこから失望に変わったんだ。
考えをまとめると、めっちゃ失望してる。彼の家系(大富豪カーン一族)なら、できるだけネガティブな印象を与えないように対応する方法を知ってるはずでしょ。洗練さはないの?気品は?私は人間だよ。退団するときの面談で、あなたは私を褒めたでしょ。私が女性部門でリーダーシップをとっていたこと、そのためにやってきたことを。私の試合も「良い、素晴らしい」と言っていた。「なあ、君には戻ってきてほしいんだ」とまで言ってくれたでしょう。それから2週間しか経ってないので、このざま。マジでがっかりしてるからね。恥ずかしいくらい。AEWのみんなにもばつが悪いよ。本当に信じられなかった。
彼は私の発言を聴いていたのかな?そんなわけないよね。だって全然的はずれなことを言ってるし。彼は褐色人種の数を数えただけ。本当に数を数えるなら、統計を見ないとね。「あら、なんでアメリカにはインディアンが少ないんだろう」みたいな話でしょ?
みんなからの質問に答えます。いいえ、謝罪はありません。連絡もないし、これからもないかもね。たぶん、彼は間違ったことを言ってないと思ってるんじゃないかな。少しも。私が言っていたことを打ち消すようなパフォーマーの名前を挙げなければならない、と思ってあれを書いたのかもしれない。でも、それは、「私」は「私」の話をしているのに、「あなた」はその途中で割り込んできて、「私」のことを掘り下げるような形で「あなた」のことを話しているってことでしょ。そこに誠実さはあるの?もし私が何も言わなかったら、あなたは何かをシェアしようと思った?「俺はいろんな人たちに活躍の場を与えている」なんて、話してくれたかな?活躍の場を与えることが多様性だなんて、違うからね、あなた。わかる?違うの。現時点では、あなたは口だけで、行動には結びついていない。
多様性=機会ではない、という点については、彼女が元旦に投稿したツイートに説明が書かれています。
ファン:スコーピオ・スカイ、里歩、ナイラ・ローズ、志田光がチャンピオンになったじゃん。
スウォール:みんな1年以上前からこの4人の名前を出してるよね。多様性は何人かがタイトルを獲得することじゃないんだ。問題は、彼らがどのように使われ、扱われ、レペゼンしているかということ。すべてのレベルにおいてね。
結果だけに注目すると何かを見落としてしまうことがあります。スウォールは、炎上のきっかけとなった発言の中で、彼女の娘が「AEWには私やパパ(セドリック・アレキサンダー)のような人がいない」と言い、ビッグEやビアンカ・ブレアのためにWWEを見るようになった、という出来事を紹介していました。ポイントはここにあるのかもしれません。ただ、トニーから機会を与えられ、感謝するロースターが多いことも事実です。
あと、トニーの「スウォールと再契約しなかったのは、彼女のプロレスが良くないと思ったから」という発言は擁護のしようがないですね。失礼すぎ。改めてそう思いました。
(Fightful)