ROHの看板レスラーとして活躍していたジェイ・リーサル。2021年、ROHの運営体制が変更されたことによって契約を解除された彼は、新天地としてAEWを選びました。現在は元NBAプレーヤーのインド人レスラー、サトナム・シン&元ROHのサンジェイ・ダットと共にサモア・ジョーを付け狙っています。
2019年に設立されたAEWは、新日本プロレスとROHで活躍していたレスラーたちが中心メンバーでした。副社長はThe Eliteの4人(コーディ・ローデス、ヤング・バックス、ケニー・オメガ)。ベストフレンズやSCUなど、ROHのおなじみの顔ぶれが揃っていたわけですが、その中にリーサルの名前はありませんでした。
結局AEWとの契約にサインすることになった彼ですが、それが2021年以前に実現することがなかったのは何故なのでしょうか?Podcast番組「AEW Unrestricted」に出演した彼は、その理由を語っています。
ROHがみんなとの契約を解除したんだ。今となっては奇妙な感じだけど、そうなる前の年、2020年に俺はAEW行きを検討していたんだよ。その時にAEW行きを見送り、ROHに残った最大の理由は、俺のROHへの忠誠心だ。誰よりも強い気持ちを持っていたからね。(コロナ禍の影響もあり)みんなが出ていくような気がしてさ。ROHはみんなに残って貰う必要があったし、助けてもらう必要があった。俺は彼らに忠誠を誓っていたから、ROHに残って助けようと思ったんだ。彼らに対する俺の義務は、徐々に終わりつつあった。ROHは俺に良くしてくれたし、俺もしっかりとお返しをしていたんだけど、そろそろ別の選択肢を模索する時期なんじゃないかって。心のなかに「移籍」の2文字があった。ただ、それでも俺はROHを去ることはなく、引き続き団体の手助けをしていたんだ。
でも、去年の10月かな。ROHに限界が来てさ。散発的なショーがあって、みんな給料をもらっていて、士気も高かった。ROHには海外から参戦しているレスラーが多かったし、彼らを手放そうとしなかったのは称賛に値する。彼らにも給料を払ってくれていた。素晴らしいことだよね。ただ、ショーをたくさん開催できるわけでもなく、開催しても客入りは悪かった。それでも全員に給料を払うなんて、かなり無謀だろ?ROHは耐えられなくなってしまったんだ。団体は閉じられ、俺はようやく「選択肢」について考えることができた、というわけだよ。
複雑ですね。2021年に彼がAEWにやって来ることになった理由はコロナ禍によるROHの経営状態の悪化。2020年にAEW行きを見送ったのもコロナ禍によるROHの経営状態の悪化、と。2020年に移籍を検討していた時点で、彼のAEW移籍がいずれ実現することになるのは決まっていたのかもしれません。