WWEの最高責任者。プロレス界で最も強い影響力を持つ男。76歳のビンス・マクマホンは、最近スクープされた元従業員女性との不倫、そして口止め料300万ドルの支払いというスキャンダルによって窮地に立たされる可能性があるようです。
WWEはビンスの持ち物。ビンスなくしてWWEはない。現在のWWEにおいて、最も強い権限を持っているのはもちろんビンス。つまり、このスキャンダルが彼の進退に影響する可能性は低い。WWE役員会による本件の調査が続く間は会長&CEO職から離れ、クリエイティブ・コンテンツの職責に専念するものの、調査が終われば何事もなく復帰する……。大方の予想はこんなところでしょう。ただし、落とし穴もあります。
WrestleNomicsのブランドン・サーストンによれば、ビンスとWWEの契約には、「特定の条件に違反した場合、役員会は彼を解任できる権限を持つ」という項目が含まれているそうです。その多くは本件と関係しないものですが、eWrestlingNewsによれば、以下の2項目が彼の運命を変えるかもしれません。
- 役員が当社またはその関連会社の金銭、または財産を窃盗、横領、またいずれかの未遂を起こした場合。
- 役員の職務遂行における故意かつ意図的な重大な不正行為、または職務の重大な過失(役員の抱える障害によるものを除く)を起こした場合。これは、会社の方針や指示に意図的に従わなかった場合も含む。
2020年、新型コロナウイルスのパンデミックが起きたことにより、選手たちが人件費削減の名目で大量にリストラされるようになった年にパラリーガル(弁護士の補佐)としてWWEに入社した女性との不倫関係が始まってから、ビンスは彼女の給料を倍増しました(10万ドル→20万ドル)。このことは1.に該当する可能性があります。また、元従業員と不倫することは2.の「職務遂行上の不正行為」に当たるかもしれません。
役員会の調査がどのような形でまとまり、ビンスにどのような処分が下されるかはわかりません。ビンスの代わりに暫定会長&CEOに就任したステフから「You’re fired!!」されてしまう可能性もゼロではないんですね。