ファンがプロレスを見る上での指標の1つになっているのが、「レイティング」です。
Cagematchには試合やショー、団体、そしてレスラーたちに対して10点満点でユーザーが得点を付けられるシステムがあり、良い試合の平均点は10に近くなります。例えば、Cagematchのシステム的に史上最も評価の高い試合は、平均点9.81の3試合。2003年にプロレス大賞の年間最高試合賞を受賞した三沢光晴 VS 小橋建太、2017年の柴田勝頼 VS オカダ・カズチカ、そして2017年のケニー・オメガ VS オカダ・カズチカ(レッスルキングダム11)です。
こうしたプロレスファンたちの意見も注目を集めますが、最も注目される「試合のレイティング」はレスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによる評価でしょう。彼がファイブ・スターの評価を付けた試合は歴史的名勝負と見なされ、ファイブ・スターを超える評価の試合は名勝負を超えた名勝負という評価になります。彼のレイティングを「何らかの総意」と受け止めるファンもいれば、彼の好みが強く反映されることへの批判の声もあります。彼がこれまでにファイブ・スター以上の評価を付けた試合は、1990年代の全日本プロレスや2010年代の新日本プロレスに偏っています。
実際のところ、レスラーたちは自らの試合が「ファイブ・スター・マッチ」と評されることについてどう考えているのでしょうか?これまでにいくつもの「ファイブ・スター・マッチ」を生み出してきた新日本プロレスのウィル・オスプレイは、クリス・ヴァン・ブリエットによるインタビューの中で「ファイブ・スター・マッチが彼に与える影響」を語りました。
経済的なゲームという観点では、俺にとっては重要なことじゃないよ。まあ、俺の人生において、ファイブ・スター・マッチという評価はどうでもいいんだ。それで金を稼ぐつもりもないし。でも、俺の契約が、満了し、フリーエージェントになったら?ハードワーカーで、誰もが語り合いたくなるような凄まじい試合ができるレスラーを欲しがらない団体なんていないだろ?
評判が評判を呼び、人の目に触れる機会を得ることができる。チャンスを得やすくなるという点で、「ファイブ・スター・マッチ」はレスラーたちのキャリアに影響を与えるのでしょう。
(ITR)