先日開催されたAEWと新日本プロレスの合同興行 Forbidden Doorでオカダ・カズチカと対戦したブライアン・ダニエルソン。
試合中に右前腕を骨折するというアクシデントに見舞われながらも岡田からギブアップを奪った彼は、試合終盤、右腕が完全に使えなくなった状態で「Yes!チャント」を煽りました。
WWEで一世を風靡したYes!ムーブメント。彼のビッグスターとしての地位を確立させた、プロレス界のレガシーです。しかし、彼が2021年にAEWへ移籍した後、基本的に自らYes!チャントを煽るようなことはありませんでした。Yes!チャントはWWEの知的財産であり、AEWへ移籍するにあたってWWEから「WWEの知的財産を尊重してほしい」とお願いされていたことを、彼は過去のインタビューで明かしています。
PPV「Revolution」でのMJF戦に続いてチャントを煽ったブライアン。その背景にはどのような心境があったのでしょうか? Forbidden Door終了後の記者会見で、彼はその理由を明かしました。
今夜はとっさの判断だったんだ。自分がやりたいと思っていたことがいくつかできなくなったからね。「ファンをここからどう盛り上げればいいんだろう?あ、簡単な方法があるぞ」と思ったわけだよ。MJFとの試合では選択的に煽った。やるなら今しかない、と。今夜の場合は、何かをする必要があったからだ。
おそらく、骨折のハプニングがなければチャントを煽ることはなかったのでしょう。なんといっても、入場曲がWWE入団前に使っていた「The Final Countdown」でしたからね。
それでも何かをしなければならなかった。右腕を失った今、ブライアンにしかできないこと…。恐ろしいパフォーマーです。この引き出しは彼にしか開けられません。オカダにはなく、ブライアンにはある。そういうものを見せつけた瞬間でした。
(Fightful)