誰もが認めるプロレス界のレジェンド、カート・アングル。
レスリングの猛者としてオリンピックで金メダルを獲得し、WWEでのプロレスラー転向も大成功。彼は業界を代表するトップスターでした。
しかし、彼のキャリアは、薬物依存によって狂うことになります。激しい戦いを繰り返し、悲鳴を上げていた身体の痛みを和らげるため、麻薬性鎮痛薬バイコディンを過剰に接種する日々が続き、薬物依存に陥ってしまったのです。
2006年、彼は健康問題などを理由にWWEから解雇され、TNAへ移籍しました。このことを、彼は今も悔やんでいます。
もしWWEをやめずにずっとプロレスをしていたら、俺は史上最高のレスラーになれたと思うんだ。
出演したPodcast番組の中で、彼は壮絶な薬物依存体験を振り返りました。WWE時代に首を骨折した時に処方された鎮痛剤。飲み始めてまもなく中毒になってしまった…といいます。
「気づいた時には、1日に65錠の超強力な麻薬性鎮痛剤ビコディンを服用していたんだ。6ヶ月もそんな感じだった。馬を殺すほどの量だよ。それほどひどかったんだ。
妹レアンヌがヘロインのオーバードーズで亡くなった日の翌日に行われた、2023年9月18日のSmackDownでのブロック・レスナーとの60分アイアンマン・マッチについて、彼は「レアンヌのため、そして悲劇から自分をそらすために」予定通り試合に出た…と語ります。当時の彼は、一度に20錠の鎮痛剤を服用するような状態でした。
12人の異なる医師に処方箋を書いてもらい、それでも足りなくなったのでメキシコから大量に鎮痛剤を輸入。月に100万円近い金を使ってまで鎮痛剤を服用する日々を過ごした彼は……。
ビンス・マクマホンとのミーティングがあってね。彼は「助けを求めてほしい」と言っていた。でも、俺はそんなことしたくなかった。俺がWWEを辞めてTNAに行ったのは、こういう理由があったからなんだ。
薬物依存からなんとか抜け出した彼は飲酒に走り、5年間で4度も飲酒運転で逮捕されるという悲惨な経験もしました。リハビリ施設での治療を終え、13年間もクリーンな状態を維持していることを誇りに思っている…と彼は語りました。