レッスルマニア41を直前に控えたこの一週間、WWEではリングの外でいろんなことが物議を醸しました。ニック・カーン社長によるAEW批判や「WWEは選手を干さない」発言、ローマン・レインズのドナルド・トランプ大統領への支持表明、HHHの「ネットの世界は現実じゃない」発言、ジョン・シナの「ビンス・マクマホンを愛してる」発言…。賛否両論を巻き起こす発言がレッスルマニア41直前に連続し、WWEユニバースは驚きを隠せません。
選手たちが政治的な発言や物議を醸す発言をすれば、ファンがそれに激しく反応するのは当然のこと。SNSやRedditでは「こんなにネガティブなレッスルマニア・ウィークは初めてだ」「人によって意見が違うのは当たり前」といった議論が白熱しています。
こうした意見に対し、Fightfulのレポーターであるショーン・ロス・サップは
批判が噴出しているのは、ニック・カーン、ジョン・シナ、HHH、ローマン・レインズといった人物たちのインタビューからだ。彼らはWWEの顔とも言える存在でありながら、プロレスファンの声に直接答えたり、対話したりすることからは大きく隔離された立場にある。
政治的なスタンスを超えて、ファンそのものを揶揄するような発言もあれば、明らかに事実とは異なる発言もあった。さらに、ファンの愛する選手たちが、あのビンス・マクマホンといまだ関係を持ち続けていることに対して、大きな失望が広がっている。
こうした反応を単なる「意見の違い」と片付けるのは鈍感すぎると思う。また、それをもって「WWEにいる全員がそういう考え方だ」と決めつけるのも、やはり鈍感だ。
と指摘しています。
レッスルマニア41に向けて政治色がにわかに強まる中、CMパンクが「意見の相違に対する自身のスタンス」を語りました。現代アメリカ社会・政治への疑問、自身にも向けられる批判の声…。様々な意見があることは承知の上で、彼は「自分の家族や自分のコミュニティ、そして必要とされている人々のために行動すること」の大切さを説いています。
沈黙を選ぶ理由と「WWEのルール」への理解
WWEが俺達に「あからさまな政治的発言」を望んでいないってことはわかってる。あと、きっと人によってルールが違うんだろうということも理解してるよ。
俺は、HHHやポール・ヘイマン、ロクサーヌ・ペレスとも政治の話はしない。俺たちは24時間プロレスのことだけを考えているからね。
偶像化と差別、そして政治に対する怒り
俺の…いわゆる「政治的立場」がどんなものかは、もう誰の目にも明らかだろう。俺には理解できないんだよね。民主党だろうと共和党だろうと、大統領を偶像化するっていう行為が。大統領ってのは、自分の仕事をちゃんとやればそれでいいはずだろ?
でも、帽子やシャツでその大統領を称えて、まるでアイドルみたいに扱ってる連中がいる。最近は、そんな連中が「自分の利益に反する投票」までしてる。理由はただ、「あの大統領なら、自分が嫌ってる人種や属性の人たちに嫌がらせしてくれる」と期待してるからだ。それって結局、自分の首を自分で絞めてるようなもんだよな。
そしてイーロン・マスクが壇上でナチ式敬礼をやって、それに対して「いや、あれは違うんだ」とか言い訳する奴らがいる。いや、ふざけんなって話だろ。「あんたがやったことは見た。あんたがどういう人間かもわかったよ」ってことだ。
“語らない”選択と“動く”覚悟
この世界は今、めちゃくちゃおかしいし、醜い。でも俺にできるのは、自分自身に正直に生きること。自分の家族や自分のコミュニティ、そして必要とされている人々のために声を上げることだ。
で、「エンターテイナー」としての俺たちに何を求めてるんだ?「WWEはドナルド・トランプ大統領支持のMAGA会社だ」って誰かがTwitterで言ってるから、CMパンクは仕事を辞めろって?そんなのおかしいだろ。あんたは「イーロン・マスク様」のTwitterで、アホみたいなことをつぶやいてる。じゃあ、お前は何したんだよ?
俺はもう色々やってきた。ただ、それをいちいちネットで発表してないだけだ。俺は自分の金を、本当に困ってる人たちのために使ってる。俺は「クラウドファンディングで大金を寄付する時に自分の名前を載せて、自己満足するようなヤツ」じゃない。俺は、いつだって自分として動く。時には水のように柔らかく、時には激しくぶつかる。それが俺なんだ。
敵を探すより、自分にできることを
この「政治的な話題」ってやつは、本当に面倒でトゲだらけの話題だよ。誰もが誰かを批判したがる。で、俺の問いはただひとつ。「じゃあ今、お前は何をしてるんだ?」ってこと。正義の味方面して、他人を叩いて、「この人もクソだ」って言って、それで満足か?
どんな政治スタンスだろうと、どの団体だろうと、クソな奴はいる。相手を選んで批判してる暇があったら、自分にできることをやれよ。それが俺のやり方だ。
この状況で、彼なりの言葉で「政治的な話題」について語ったパンク。問題だと思うことに対してどう考え、動くか…。様々な意見を持つ選手が集まり、一丸となってファンのためにパフォーマンスするWWEを代表する存在の一人として、言うべきことを言ったという感じでしょうか。
今週はいろんなことがあったWWEですが、レッスルマニア41に向けた盛り上がりは最高潮に達しています。素晴らしいショーになることは間違いありません。
(SESCOOPS)
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