WWEによるメキシコの大手団体AAAの買収は、メキシコのみならず世界中のプロレス界に影響を及ぼすことになりそうです。CMLL&AEW連合にとっては脅威になることは間違いありません。
WWEとAAAは積極的な協力体制を確立。現地6月7日には合同興行Worlds Collideが開催されるほか、AAAが現地6月18日に開催するTriplemania RegiaにはWWEスーパースターの登場が期待されています。6月15日には、AEWがCMLL協力のもとでメキシコ大会Grand Slamを開催。メキシコをめぐるプロレス戦争は今後のトレンドになりそうです。

何年も前から大手のパートナーを探していたというAAA。CEOを務めるドリアン・ロルダン・ペーニャ氏は、参加したスポーツイベントで「メキシコにおけるエンタメ業界の競争の激しさ」を語りました。ルチャ・リブレにとって、最大のライバルはサッカー。サッカー業界との激しい競争により、スポンサーの確保が大変になっているそうです。
3週間前、あるブランドに資金提供を頼みに行ったんだ。そしたら「今はサッカーに金が流れている。スーパーボウルにも。ホットなコンテンツにしか出資しない」と言われた。スポンサーを獲得するには、わずかな資金を奪い合うしかなかった。
WWEの親会社TKOによるAAAの買収額は推定5000万ドル(約720億円)とされていますが、正式な金額は不明です。AAAにとってWWEに買収されるメリットは、この膨大な金額の買収額以外にも、WWEとの合同興行やWWEスーパースターのAAA参加、そしてCMLLやサッカー界から話題を奪える、ということでしょう。
今後、AAAはWWEの力を借りてメキシコ・エンタメ界で力を増していくはず。CMLLも勢いに乗っており、因縁の相手であるAAAの躍進を黙って眺めるわけがありません。ギャングとかそういうものではなく、プロレスファンにメリットのある形で競争が盛り上がってくれるといいのですが…。
(Fightful)
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