2025年3月のElimination Chamberでヒールターンしたジョン・シナ。みんなのヒーローだった彼は、WWEユニバースを煽り倒す極悪ヒールへと変わってしまいました。
しかし、彼がどんなに悪ぶったとしても、世界中がかつてのジョン・シナを覚えています。ブーイングだけでなく声援も飛んでしまう・・・という、かつての賛否両論だったシナへの反応が継続してしまったことは、彼にとって大きな困難でした。
ヒールとして初めてのプロモを披露した現地3月17日のRAWベルギー大会では、ファンに対して
俺は25年間、被害者だったんだ。お前たちWWEユニバースとの関係は「虐待」そのものだった。お前たちはひどい言葉を浴びせ、俺を操り人形のように扱い、それを笑顔で受け入れることを強要してきた。でも、もう終わりだ。
と発言。客席から「レッツゴー・シナ!」と声援が飛ぶと、
お前たちは俺を応援していると言うが、何をしてくれた? 俺に何をしてくれたんだよ? お前たちがやったのは、俺の時間を奪い、俺の人生の大切な瞬間を盗むことだけだ。
と言い返しました。このプロモは世界中で話題になりましたが、彼にとっては納得のいくものではなかったようです。
最新のインタビューで、彼はこのプロモを「失敗」だったと振り返りました。
腹は立たなかった。あれは失敗だ。失敗すること自体は悪くない、学べるからな。リングに上がって爆死した、それだけだ。そんなこともある。俺はこれまでに大きく変わってきた。昨日の自分とも同じではない。
レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーは、シナが「ファンのせいで俺はこうなった」という方向性を取ったことに「演技は素晴らしいが、使い古されたアングルに頼った」と指摘。ただし、古典的な選択を取らないことでかえって声援を浴びる可能性があることから、ファンに責任をなすりつけざるを得なかったのかもしれない、ともコメントしています。
(Wrestling Observer)
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