元UFC世界ヘビー級王者のケイン・ヴェラスケスがWWEと3年契約を結んだのは2019年10月のことです。月末に開催されたサウジアラビア大会”Crown Jewel”ではブロック・レスナーとのシングルマッチが組まれ、話題になりました。
しかし、先日、ヴェラスケスはWWEから解雇されてしまいました。レイ・ミステリオとタッグを組んで活動する計画はあったものの、結局脚光を浴びたのはレスナーとの試合だけに……。
レスリング・オブザーバーは、WWEがヴェラスケスとの契約を望んだ「そもそもの理由」は3つあったと報じています。
ブロック・レスナーとの抗争
ヴェラスケスとレスナーは、2人がUFCで活動していた時期に1度対戦したことがあります。2010年10月23日の”UFC 121″で、ヴェラスケスは当時のUFC世界ヘビー級王者だったレスナーに挑戦。1RでTKO勝ちし、王座獲得に成功しました。
WWEは、レスナーにこの時の復讐をさせたかったのだそうです。
サウジアラビア大会の盛り上げ
“Crown Jewel”には、ボクシングWBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリーも出場し、ブラウン・ストローマンとシングルマッチを行いました。
この大会を盛り上げるため、WWEには別競技のスター選手を参加させたいという意向があったそうです。
FOXとSmackDown
2019年10月はWWEにとって大きな変化があった時期でした。SmackDownの放送局がUSA NetworkからFOXへと移行したのです。
FOXは「スポーツ・スター」を探していました。知名度・実績ともに抜群のヴェラスケスの入団は、FOXにとって番組をプッシュする大きな理由の1つになり得たのです。
その他
WWE入団前のヴェラスケスはルチャ・スタイルのムーブを見せることがありました。WWEではこうしたムーブを使いませんでしたが、そこにはWWEの「レスナーにはUFCスタイルのヴェラスケスに勝ってもらいたい」という意向が働いていたそうです。また、ヴェラスケスは膝を痛めており、手術が必要だったことも影響しているとのこと。
WWEでの活躍はわずかでしたが、今後もプロレスラーとしての活動を続けるのであれば、どの団体と契約を結ぶのかに注目が集まります。WWE入団前の彼にはAEWと新日本プロレスが興味を示していましたが……。どうなるのでしょう?
(Wrestling Observer, Rajah.com)