2019年に設立されたAEWのスターといえば?クリス・ジェリコやジョン・モクスリーといったWWEでの活躍が知られるレスラーもいますが、日本のプロレスファンにとってはケニー・オメガにも頑張ってもらいたいところです。旗揚げ興行”Double or Nothing”でクリス・ジェリコに破れ、AEW世界王座初代チャンピオンの道を絶たれた後のケニーはシングルプレイヤーとしての活躍の場があまりなく、ハングマン・ペイジとのタッグチームでの活動が目立っています。
このことについては、世界中のファンから批判の声がありました。AEW設立に直結している新日本時代のケニーの功績は主にシングルプレイヤーとしてのものであり、それをアメリカでも見られると思っていたファンが不満を抱くのも無理はありません。
しかし、もう少し時間が経てば、ケニーに活躍の機会が与えられるかもしれません。レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによれば、団体創設1年目にケニーがタッグ戦線を主戦場としているのは、2年目に彼をスターにするという計画があるからなのだそうです。
2020年2月、ケニーはインタビューの中で次のように語っています。
キャリアの中で別の道を歩むことを決断したから、45分から1時間もの長丁場の試合をしていないからといって、別人というわけじゃない。[…]俺はペイジとのタッグチームで成功を収めている。彼とはいろんな化学反応が起きているよ。俺は世界中のタッグチームの中でもトップレベルのチームに属している。「ベスト・イン・ザ・ワールド」と呼ばれるために必要なものは長丁場のシングルマッチだけじゃないということを示しているんだ。
天龍源一郎は、2019年に週刊プロレスの連載で「AEWはケニー次第」と書いていました。しかし、プロレスファンの間で「ベストバウト・マシーン」の存在が知られていたとしても、一般層の間では無名です。Dynamiteの放送が始まってからもケニーがなかなか結果を出せないという状況の中で、「ジェリコやモクスリーのようなWWEでの活躍が知られるトップスターが団体の中心となり、基盤を作り上げたあとでケニーが中心に据えられるのではないか」という意見を目にすることがありました。AEWの考えも同じだったようです。
ケニーとペイジのタッグチームは素晴らしいです。ただ、シングルプレイヤーとしての真価を、新日本残留やWWE移籍という選択肢を捨ててまで選んだ新天地で発揮してほしいとも思ってしまいます。