2020年のプロレス界は例年とは比べ物にならないほど大変な状況にあります。新型コロナウイルスのパンデミックにより、ほぼすべての団体が予定通りの活動を断念しました。さらに、6月下旬にTwitterで盛り上がりを見せたハッシュタグ”#SpeakingOut”により、レスラー人生に大きな狂いが生じた男たちもいます。
“#SpeakingOut”はレスラーたちの問題行為を告発するためのハッシュタグです。主に男性レスラーによる性的暴行の数々が暴露され、複数のレスラーが職を失いました。インディ界の大物、ジョーイ・ライアンもその1人です。
所属していたインパクト・レスリングから解雇されただけでなく、自身が運営する団体”Bar Wrestling”も活動停止することになってしまったライアン。告発された内容が事実であれば紛れもない犯罪行為なので当然なのですが、本人は疑惑を否定しています。
今日、ライアンは約1時間の釈明動画を公開しました。その中で、彼は一貫して疑惑を否定しています。
1つだけはっきりさせておきたいのは、私は女性の同意なしに行為に及ぼうとしたことは一度もないということです。女性に対して犯罪的な行為をしたことはありません。
「疑惑」とは異なり、実際に証拠があります。証明することもできます。
プロレス界における影響力を利用して他人に嫌がることをさせたことも、影響力を個人の利益のために利用したこともありません。
女性たちによる告発を読んだ時、ライアンは「記憶と全く異なっている」ことから、「狂っている」と感じたそうです。そして、告発した女性たちとの古いやり取りを発掘し、争いうるだけの「証拠」を発見したとのこと。
Pro Wrestling Sheetが動画の内容を丁寧に要約していたので、一部を紹介します(あまりにもきつい内容は省略)。
- ある男性のフィアンセに執拗につきまとい、その人の人生を台無しにしたという告発について。
- 「その女性は『婚約している』と言わなかった」
- 結婚式場のトイレで女性に性的暴行を加えたという告発について。
- ライアンによれば、当時、2人は酒を飲んでいた。合意の上だった。
- この件の後、2人はデートをし、彼女の側から別の誘いもあった。「もし暴行されたと感じていたのであれば、彼女はデートに応じなかっただろう」
- プロレスポータルサイト”With Spandex”の元女性編集者に対する性的暴行疑惑について。
- 元編集者は、2019年に、ライアンが彼自身のメンタルヘルスの問題を利用して彼女に性的暴行を働いたと主張している。
- ライアンによれば、彼は彼女に問題を打ち明け、ホテルの部屋を共有していた。ライアンは、これが彼女のアイデアだったこと、彼女は事前に「抱きしめる」ことに合意していたことを示す証拠メッセージを持っている。
- ホテルの一室で女性に暴行したという匿名の主張について。
- ライアンによれば、合意の上だった。お互いに相手の元パートナーのことを知っているような間柄だったため、相手が怖がったとわかった時に中断した。
- 告発者の友人に対してホテルの一室で性的暴行を働いたという匿名の告発について。
- ライアンによれば、合意の上だった。しかし、これによって2人の関係が変わってしまったため、お互いに後悔していた。
- 「ライアンから不適切なDMを送りつけられた」という女子レスラーの告発について。
- ライアンは完全に否定し、その証拠を示した。
- ある女性のブッキングに関する疑惑。彼女の18歳の誕生日にライアン主催のショーにブッキングしたのは、リング上で彼女に股間を触らせることだけが目的だったという告発について。
- ライアンによれば、それは当時進行中だったストーリーの一部だった。
- 彼女が18歳になった時、ライアンは関係を持とうと提案したが、彼女に断られ、その意見を尊重した。
- 女性レスラー、アレックス・グラシアによる告発。彼女がホテルの部屋にいる時、ライアンがバスルームから裸で出てきた彼女を驚かせたという主張について。
- ライアンによれば、これは彼が空気を読み間違えたことが原因。彼女は「良き友人」になろうとしていただけだったが、ライアンは勘違いした。ライアンは動画内で彼女に謝罪している。
- 女性レスラー、ローラ・ジェームズと婚約関係にあったにもかかわらず、告発者の女性に対して車内で不適切な行為をしたという主張について。
- ライアンはこの件について覚えていなかった。後に相手に謝罪して受け入れられた。
- イギリスの団体で働いてた女性リングアナウンサーに対し、イベントのアフターパーティで執拗に関係を迫ったという告発について。
- ライアンはこの件についても覚えていなかったが、謝罪の意はあると主張している。
- 女性レスラー、ヴァネッサ・クレイヴェンによる告発。ライアンは彼女に対してあらゆる場面で性的関係を持つことを迫っていた、自身の影響力を個人的な利益のために利用していたという告発について。
- ライアンは、クレイヴェンとは両思いだったと信じている。
- 女性レスラー、ジェッタによる告発。「①イベントの後、性的関係を迫られた」「②ホテルの部屋に侵入されそうになった」という主張について。
- ①ライアンによれば、アフターパーティで酒を飲み酔っ払った彼は強引に彼女を口説こうとした。しかし、断られたので彼女の意見を尊重したとのこと。
- ②これは事実ではない。ジェッタが主張している日は遠征先の地元ファンと関係を持った。
- 未成年の女性とバーで不適切な行為をしたという疑惑について。
- 戯れの恋があったのは事実。16歳の女性がバーにいることが許されているのを知ったときは「ビビった」とのこと。
WWEと仕事をしているライアン・サティンの署名記事とは思えない内容です……。動画内にはライアンが所持している証拠も示されています。
この動画を公開したことが彼の今後にどのような影響を与えるかはわかりません。
(PWS)